カーボンフットプリント【技術士キーワード学習】

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カーボンフットプリントについて

 

カーボンフットプリントとは

商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスをCO2に換算して、商品やサービスに表示する仕組みの事である。

CO2排出量削減行動に関する情報を共有し、事業者がサプライチェーンを構成する企業間で協力して更なるCO2削減を推進する事を目的としている。

参考:001_04_01.pdf (meti.go.jp)

 

カーボンフットプリントの背景

かつての大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした経済成長では、温室効果ガスの排出が加速し、世界じゅうでの気温上昇や大雨などの異常気象や自然災害をもたらす結果となったが、今後も長期間継続すると、社会経済へ不可逆かつ深刻な影響が生じることが懸念されている。

 

カーボンフットプリントの、求められる姿

カーボンフットプリントを表示する事で消費者、各企業が経済活動において排出するCO2の量を把握し、削減のための取組を行う。

 

カーボンフットプリントについての問題点と課題

多面的な観点から、カーボンフットプリントの問題点3つ

カーボンフットプリントでは、製品の製造から廃棄・回収までのライフサイクル全体で温室効果ガス排出量を評価し、表示する事から、数値を改善するためには、以下の方法がある。

 

製造時に消費されるエネルギー量の低減

製造の観点から、製造工程の見直し、設備の省エネ化、工場の脱炭素電源化などにより、製品の製造工程で消費されるエネルギー量を低減し、製品購入時点でのCO2排出量を低減する。

 

使用時の消費エネルギーの削減

使用の観点から、省エネ仕様の部品を採用したり、製品の動作機構を簡易化したりする事で、製品を使用する際に排出されるCO2の量を低減する。

 

ライフサイクルを長くする

寿命の観点から、製品が使用される時間を長くすることで、CO2排出原単位計算式の分母を大きくし、製造時のCO2排出量を使用時に緩和する。

 

最重要課題

製品が売り出される前には物流、製造、保管の時間が存在し、これらの工程で消費されるエネルギーが多いことから、製造時に消費されるエネルギーの量の低減を最重要課題と考える。

 

最重要課題の解決方法

再生可能エネルギーの自給率向上

生産工場の空きスペースを活用して、再生可能エネルギーによる電源を設置する事で、生産活動に伴う電気からCO2排出量を削減する。現在では、太陽光発電パネルの設置可能場所が増えており、ガラスや曲面に設置する事も可能となっている。

 

省エネルギー設備の導入

トップランナー基準を満足する設備など、高効率で省エネな設備を導入する事や、工場エネルギーマネジメントシステム(FEMS)による最適な電力供給を行うことで、生産時に消費されるエネルギーの量を減少させる。

 

カーボンプライシング

炭素に価格を付け(炭素税や非化石証書、グリーン電力証書など)、企業ごとの排出量の上限基準を基に国内企業において温室効果ガス排出量を売買することで、カーボンフットプリントの数値を低減する。

 

解決策による波及効果と懸念事項

解決策による波及効果

カーボンフットプリントではライフサイクル全体での温室効果ガス排出量を評価するが、温室効果ガスは製造時に多く排出されることから、解決策により省エネ化や再エネ自給率の向上により、温室効果ガス削減に大きく貢献する事が期待できる。

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