エコーチェンバーとフィルターバブル【技術士キーワード学習】
エコーチェンバーについて
SNSなどコミュニティの中で起こりやすいエコーチェンバー
エコーチェンバー(Echo chamber)とは、自分と同じ意見があらゆる方向から返ってくる「反響室」のような狭いコミュニティで、同じような意見を見聞きし続けることによって、自分の意見が増幅・強化されることを示す、SNSなどでよく起こる現象の事である。
アルゴリズムによって引き起こされるフィルターバブル
現在、我々はAIやアルゴリズムの発達により各人に最適化された広告やコンテンツばかりが表示されるようなインターネットのフィルターの中に存在しており、無意識に似た情報や視点に囲まれやすい。
エコーチェンバーやフィルターバブルについての問題点と課題
多面的な観点から、問題点を3つ
情報収集の際の視野の広さ
情報の種類の観点から、エコーチェンバーやフィルターバブルの環境の中では出会える情報が限定されて、自分の知っている情報や理解しやすい情報に偏りやすくなるため、知らない情報にもアクセスする必要がある。
客観的な立場からの判断力
情報の質の観点から、自分の見聞きした情報が多数の意見であると感じたり、正確な情報であると感じたりしやすくなるため、収集する情報の信ぴょう性と客観性を確保する方法が必要である。
最重要課題
かつてより、デジタルディバイドやITリテラシーといった言葉が存在しており注目されていることから、客観的な立場からの判断力を最重要課題と考える。
最重要課題の解決方法
幅広い情報ツールの使用
一つのサイトよりも複数のサイト、一部の検索エンジンだけでなく複数の検索エンジン、インターネット検索ではなくアナログ情報にも触れるなど、フィルターのかからない情報に触れることで情報の鮮度や客観性を向上させる。
一次情報の収集
ニュースなどの二次情報ではなく、国の発行する資料や研究論文などの一次情報を確認する事で、他者のフィルターを減らし事実に近い情報を手に入れる。
AIのリコメンドの無効化
インターネットを使用する際は、AIのリコメンドを無効化するためにシークレットモードを使用したりcookieを削除したりすることで、過度に自分にカスタマイズされたリコメンドを防止する。
解決策による波及効果と懸念事項
解決策による波及効果
情報を広く、一次情報に近いところで手に入れることで正しい情報を収集し、人の意図に拠らない判断をすることができるようになる。
解決策により新たに生じる懸念事項
フィルターを通さず客観性を意識する事で、従来よりも多くの情報にアクセスする必要があるため、情報収集から判断までの時間が長くなることが懸念される。
懸念事項の対策
同じテーマについて別の人と分担して情報収集を行い、一定期間ののちに話し合いによって情報のすり合わせを行う。
この時に趣味や立場の異なる人を仲間に入れることで、より客観性を確保した情報を手に入れることができるようになる。