高齢者の活躍推進について【技術士キーワード学習】

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高齢者について

高齢者の活躍推進の背景

少子高齢化により労働人口が減少しており、製造現場の高齢化が進んでいる。働いている60歳以上の8割以上が65歳よりも長く仕事をしたいと考えており、その内20.6%は、「働けるうちはいつまでも」と考えていることから、高齢者の活躍を推進する方法が課題となっている。

参考:2 就業の状況|令和2年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府 (cao.go.jp)

 

高齢者の活躍推進の、求められる姿

労働人口の減少の対策として、働く意欲のある高齢者に対してサポートを行い、活躍を推進する。

 

高齢者の活躍推進についての問題点と課題

多面的な観点から、高齢者の活躍推進の問題点3つ

参考:ringyou-24.pdf (maff.go.jp)

 

高齢者の使用を考慮した業務インフラの整備

仕組みの観点から、ユニバーサルデザインを採用する事で、高齢者が大きな不自由を感じることなく仕事ができるような業務インフラを整備することが、高齢者の活躍推進のために必要である。

 

教育の機会の提供

人材教育の観点から、近年の技術革新のスピードは非常に早くなっていることや社会人として働く期間が長くなっていることから、仕事をする期間の間にスキルセットを更新し、新しい時代の仕事の仕方を身に付けるために、リカレント教育を実施することが必要である。

 

ノウハウのデータベース化

技術伝承の観点から、高齢者は一般的に多くの経験と知恵を持っていることから、若い人材のスキルを向上させるために必要な時に必要なスキルや知識を検索できるように、高齢者の持つノウハウのデータベース化を行う必要がある。

 

最重要課題

少子高齢化によって若年の新入社員を採用することが難しくなっているため、既存の従業員に長く勤務してもらう事が有効な対策となっている。その中で、毎年数十万の人が65歳を迎えており、再雇用の延長によって大きな労働力を確保することができることから、「高齢者の使用を考慮した業務インフラの整備」を最重要課題と考える。

 

最重要課題の解決方法

紙媒体資料のICT化

紙媒体の資料では、紙面の大きさが制限されるため、高齢者にとっては文字が小さくて読みづらい問題がある。そこで資料をペーパレス(デジタル)化し、タブレットなどのICT機器で確認できるようにすることで、各人が好きな大きさに拡大・縮小して資料を読み、年齢による情報収集の障害を取り除く。

 

自然言語処理による機器の操作

ボタンやキーによる機器の操作では、ボタンの配置や操作順番を記憶する必要があり、複数の機器を使用する事を前提とする場合、高齢者にとっては負担になることがある。そこでスマート家電のアイディアを活用し、自然言語処理技術を使用する事で、音声入力による機器の操作を行い、操作を簡単にする。

 

身体補助機器の使用

高齢になると身体能力の衰えから、重いものを保持したり移動することに負担がかかる。そこで軽量化したパワーアシストスーツを使用する事で、動作の補助を行う。現在、空気圧によってアシストするタイプのパワーアシストスーツでは、1.8kgの軽量の物が実用化されており、重量物の運搬作業に使用されている。

 

解決策による波及効果と懸念事項

解決策による波及効果

高齢者が働きやすいようにインフラを整えることで、定年となる年齢を迎えても貴重な戦力として働き続けることができるようになる。また、紙資料のデジタル化を起点としたICT化により、導入が難しいICT技術に高齢者が慣れることができるため、社内全体のデジタル化の促進にも期待することができる。

 

解決策により新たに生じる懸念事項

高齢者向けのインフラを整備する場合、ICT機器、自然言語処理ができる機器、パワーアシストスーツなど、新たな投資が必要となるため、企業体力の弱い町工場ではコストの捻出が課題となる。

 

懸念事項の対策

公的な補助を使用する事で対策する。高齢者の雇用を継続する場合の助成金や、デジタル化に関連する補助金を申請する事で、金銭的な負担を減らした投資を行い、高齢者の増加にも対応できるようにインフラを整備する。

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