グリーンイノベーション【技術士キーワード学習】

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グリーンイノベーションについて

 

グリーンイノベーションとは

社会の持続的な発展を目指して、あらゆる科学技術やイノベーションを用いて変革を生み、世界的な課題である環境問題に対応する取組のことである。

社会の成長と環境の維持・発展をトレードオフといった関係でとらえるのではなく、双方向的に持続的な好循環が生まれるように関係を構築する。

我が国では2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、グリーン技術の開発によるプラス方向の拡大と、ネガティブエミッション技術の開発によるマイナス部分の縮小が必要である。

 

本論文では、グリーン分野の中で、カーボンニュートラルの技術に注目し、我が国が環境保全のために実行できる方法について記述する。

 

グリーンイノベーションについての問題点と課題

多面的な観点から、グリーンイノベーションの問題点3つ

 

環境対策とビジネスとの結びつき

企業の持続可能性の観点から、環境とビジネスをトレードオフにせず、環境対策をする事がビジネスとなるような基盤を整え、普及が進むにつれてコストが下がるような仕組みを作る事が必要である。

 

市場のグリーン化

環境意識の観点から、トップランナー制度やカーボンクレジットのような統一指標を推進して、消費者が積極的にグリーン技術を選択できるように後押しする事が必要である。

 

グリーンイノベーション技術の海外への展開

成長の観点から、我が国で開発されたグリーンイノベーションの技術を海外へ展開し、国際競争力を獲得すると同時に世界の環境保全に貢献する事が必要である。

 

最重要課題

我が国は石炭火力発電の大気汚染物質を大幅に減らし、石炭火力に頼らざるを得ない国に輸出する事や、HVや水素技術を開発する等、環境に対する技術を保持しており、技術によって世界に貢献できることから、「グリーンイノベーションの海外への展開」を最重要課題と考える。

 

最重要課題の解決方法

エネルギーの電化、省エネにより、化石燃料の使用量を減らす。残ったCO2排出源に対しては回収・再利用する事でカーボンニュートラルを達成し、その技術を海外へ展開する事で世界の環境保全に貢献する。

 

エネルギーのグリーン化

太陽光発電・洋上風力発電・地熱発電などの再生可能エネルギーを電源として活用することや、それにより作られるグリーン水素、グリーンアンモニアによって、化石燃料由来のエネルギーをグリーンエネルギーに置き換える。

参考:gi_008_03_00.pdf (meti.go.jp)

 

排出された炭素の回収

現状の技術でエネルギーの転換ができない分野においては、やむを得ず排出されたCO2を回収し、再利用する事で対応する。空気中のCO2を直接回収するDACCS技術や、回収したCO2を再利用するCCUS技術などを活用するネガティブエミッション技術によって実現する。

 

技術のグローバル展開

エネルギーのグリーン化、排出された炭素の回収を行いカーボンニュートラルを達成するが、この技術を海外へ輸出する事で世界の環境保全に貢献する。例えば従来、石油開発技術によって途上国の採掘を支援する事でエネルギー安全保障戦略としていたが、同様にカーボンニュートラル技術を途上国へ輸出する事で、同様の安全保障の効果を狙う。

 

解決策による波及効果と懸念事項

解決策による波及効果

我が国が目指すカーボンニュートラルを世界に発信する事で、グリーン分野における国際競争力につながる事が期待できる。

 

解決策により新たに生じる懸念事項

世界の環境保全に関するランキングを見ても分かるように、環境保全に積極的に取り組んでいるのは一部の裕福な国に限られる事から、環境保全には莫大なコストが必要である。金銭的な体力のないベンチャー企業では、グリーンイノベーションを起こすのが困難である可能性がある。

 

懸念事項の対策

グリーン技術についての補助金を設定する事で対応する。補助金を支給する代わりに技術に関する詳細な報告資料を蓄積し、国内の技術発展に役立てる事でイノベーションを育てる。

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