ものづくりのIoT【技術士キーワード学習】

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ものづくりのIoTについて

ものづくりのIoTとは

IoTは、自動車や鉄道などの交通機関、物流、医療分野など様々な分野で活用が進められている。現時点でもコネクテッドカー、スマート物流、ロボットを使った手術などが研究・開発されており、ものづくり分野においても、スマート工場や生産管理の分野にてIoTの導入が進められている。

 

ものづくりのIoTの背景

第四次産業革命において、様々な経済活動などを収集して得られたビッグデータを分析、活用することで新たな価値を生みだすことが競争力になっていることに加え、我が国では少子高齢化に伴う労働者人口減少の対応として、単純労働を自動化し、人間はより付加価値の高い業務に従事する改革が必要となっている。

 

ものづくりのIoTについての問題点と課題

 

多面的な観点から、ものづくりのIoTの問題点3つ

参考:01shiryou0604.pdf (nisc.go.jp)

市場のニーズの多様化に伴い、ものづくり業界では、これまでの少品種多量生産モデルから多品種少量生産への転換が求められている。そこで本論文では、多品種少量生産に対応できる製造工程のIoT化について記述する。

 

多品種少量生産に合わせた製造工程の設計

生産工程の観点から多品種少量生産に合わせて、リードタイムの短縮、小さいロットでの流動および需要に合わせた生産ラインの柔軟な組み換えに対応できる工程設計が必要である。

 

デジタルモノづくりのプラットフォーム構築

システムの観点から、収集が必要なデータを分類する事と、IoT機器で取得したデータをエッジ処理して分析するためのプラットフォームの構築が必要である。

 

サイバーセキュリティの確保

セキュリティの観点から悪意のあるユーザの侵入を防ぐ入口の対策と、侵入された場合に情報の漏洩を防ぐための出口の対策など、サイバーセキュリティを確保する事が必要である。

 

最重要課題

IoTを活用したものづくりでは、収集されたデータの活用方法が企業の競争力と関係するため、「デジタルモノづくりのプラットフォームの構築」を最重要課題と考える。

 

最重要課題の解決方法

IoT機器の設置

多品種少量生産では、必要なものを必要な時に必要なだけ作るジャストインタイムの考えが必要であり、これにはリアルタイムな生産管理が重要となる。IoTセンサを生産数や稼働時間にかかわる計器と接続して、生産数の実績値、目標とのずれを確認できるようにし、生産効率を向上するための分析を行う。

 

データのエッジ処理

製造工程では、最終的にクラウドサーバにデータを集積する事を前提とするが、データの保存領域を大量に消費するため、その対策として前段階の処理をIoT機器周辺で行い、分析に必要なデータだけをクラウドサーバに保存するエッジコンピューティング技術を活用し、データ容量の削減と通信の高速化を行う。

 

データの分析

収集された生産に関するビッグデータを、分析用のアルゴリズムや機械学習されたAIにより分析する。設備の段取り替えから目標個数の生産にかかる時間、現在の在庫数、需要予測を組み合わせて、次回の日程計画に活用する。

 

解決策による波及効果と懸念事項

解決策による波及効果

ものづくり現場でIoTを活用して生産管理を行うことで、リアルタイムな生産能力を確認する事ができる。生産が必要な個数に対して的確な指示を行い、柔軟に生産個数を調整する事で多品種少量生産への対応が行いやすくなり、企業の競争力向上に貢献する事ができる。

 

解決策により新たに生じる懸念事項

上記解決策では生産設備のIoT化を前提としているが、製造現場を一度にデジタル化する場合は多額の投資が必要となり、中小企業など体力の無い企業では導入が困難となる可能性がある。

 

懸念事項の対策

製造現場のIoT化に関する補助金を活用する。IT導入補助金では、故障の予知を目的とするセンサをはじめIoT機器の導入に対する補助金が展開されている。これを活用する事でデジタル投資を行う事で対策する。

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