ライフサイクルアセスメント【技術士キーワード学習】

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ライフサイクルアセスメントについて

ライフサイクルアセスメントとは

text_2_3_a.pdf (meti.go.jp)

ある製品やサービスから何かの利便を享受する際に、地球からの資源を採取し、それを製造、輸送、使用され、最後に廃棄され地球に戻される時点までのあらゆる活動を定量的に評価する事である。

 

ライフサイクルアセスメントの背景

製品の製造や消費、日常の社会活動などの拡大の中で、エネルギーをはじめとする、各種物質の大量消費による資源の枯渇や環境劣化による気候の変化が指摘されたことから、人間活動が環境に与える負荷が意識されるようになった。

 

本論文では、エネルギー使用による温室効果ガスの排出に関するライフサイクルアセスメントについて記述する。

 

温室効果ガス排出に関するライフサイクルアセスメントについての問題点と課題

https://www-cycle.nies.go.jp/magazine/mame/20070702.htm

循環・廃棄物のまめ知識 – 循環型社会・廃棄物研究センター オンラインマガジン『環環kannkann』 (nies.go.jp)

 

多面的な観点から、ライフサイクルアセスメントの問題点3つ

製品の生産にかかわるCO2排出量削減

提供者の観点から、製品の生産には、資源採掘・原料生産・加工や組み立て・物流などの工程があり、それぞれの工程におけるCO2排出量を削減する事が必要である。

 

消費に関わるCO2排出量削減

消費者の観点から、使用時のCO2排出量及び非使用時のCO2排出量、および製品の寿命などを検討し、トータルで見たCO2排出量が少ない製品を選定、購入する事でCO2排出量を削減する。

 

ライフサイクルアセスメントの手順

評価者の観点から、製造側、使用側どちらか一方からのCO2削減アプローチでは、該当する立場に対して偏った評価基準が採用される可能性があるため、中立性を保ったライフサイクルアセスメントの手順の確立が必要である。

 

最重要課題

環境の保全は、製造者や消費者など一部の人や団体で実現するものではなく、全体の協力によって実現すべきものであるため、「ライフサイクルアセスメントの手順」を最重要課題と考える。

 

最重要課題の解決方法

マネジメントシステムの構築

ISO14001など、環境に関する環境認証を取得する事で、社内におけるマネジメントシステムを構築し、適切なデータの取得、分析および改善活動を通して、企業活動の環境負荷を低減する取り組みを行う。

 

第三者検証の実施

取得した環境認証に対し、定期的に外部の評価機関からのレビューを受けることにより、マネジメントシステムが適正に維持されていることと、環境への取組の有効性を客観的に評価する。

 

環境ラベルの取得

トップランナー制度やカーボンフットプリントなどの環境ラベルを取得する事で、製品の省エネ性能及びライフサイクルにおけるCO2の排出量を比較しやすくすることで、消費者が環境負荷の小さい製品を購入する事ができるようにする。

 

解決策による波及効果と懸念事項

解決策による波及効果

ライフサイクルアセスメントを行い、比較可能な情報として表示する事で、企業の生産活動および消費者の購買活動の中で、ライフサイクルにおけるCO2排出量を意識し、環境負荷の小さい製品を普及させるきっかけになることが期待される。

 

解決策により新たに生じる懸念事項

環境負荷の低い製品が売れ残ると、小売店では割引等で対応する事が考えられる。消費者は価格が安い方を好んで購入する事が考えられるため、環境性能の高い製品の競争力に影響する事が考えられる。

 

懸念事項の対策

メーカと国・地方自治体の二つの立場から、環境性能の高い製品の購入を推奨する。

 

メーカからのアプローチ

省エネ製品による電気代節約を訴求して、環境性能の高い製品を利用するとライフサイクル全体で見た場合でのトータルコストの安さを表現する。

 

国・地方自治体からのアプローチ

省エネに対する評価基準や補助金を設定し、省エネ製品の価格を他の製品の価格差を小さくする。

補助金としては、家庭向けに高効率給湯器の補助金が出されており、消費者の購買を後押ししている。

評価基準の表示としては、省エネ法において、小売店に対してトップランナー制度の省エネ性能の表示に努めるように求めており、消費者が主体的に環境性能の高い製品を選べるように後押ししている。

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