金属粉末を使用した(AM)積層造形について【技術士キーワード学習】

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積層造形とは

積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング:AM)とは、三次元造形をする手法のことである。3DCADで製作したモデルを使用して、材料を一層ずつ積み重ね、三次元形状をアウトプットする。わが国では3Dプリントとして知られている。

参考:積層造形法 (AM 技術) とは | Autodesk

 

積層造形(AM)の特徴

材料の歩留まりが良い

ブロック形状の金属等から削り出す切削や研削などの除去加工とは異なり、材料を付加して製品形状を作成するため、材料の歩留まりが良い。

 

複雑形状を作ることができる

除去加工では工具が届かず加工できない形状を作ることができるため、従来であれば組付け工程が必要な部品を一体成型することができる。これにより、トポロジー最適形状の実現が期待されている。

 

ラティス構造体が作れる

 

https://j3d.co.jp/business/index102.html

ラティス構造とは|金属3Dプリンター受託造形サービスのことなら株式会社J・3D (j3d.co.jp)

 

格子状のラティス構造を作成することができるため、強度を保ちつつ軽量化したり、通気性を確保して冷却しやすくしたり、弾力性を持たせたりといった機能を付加することができる。

 

マルチマテリアル化ができる

強度の必要な部分と軽量化が必要な部分など、異なる材料を組み合わせたマルチマテリアル化をする事ができる。

 

積層造形(AM)のデメリット

材料費が高い

金属粉末を使用した積層造形では、材料が一般的な棒材やブロック材と比較して効果であるため、製品原価に占める材料費が大きくなりやすく、従来の工法で製作できるものに対してはコストメリットが出にくい。

 

寸法精度が厳しい部分は仕上げ加工が必要

現状では、AMの寸法精度は0.1mm程度となっており、0.01mmレベルの寸法精度を求める際は別途切削や研削による仕上げ加工が必要である。

 

積層造形(AM)が適用される分野

航空宇宙分野

ジェットエンジンのノズル、タービンブレード、インペラ等複雑な形状を製作するのにつかわれる。

 

医療分野

人工関節やインプラントなどに使われる。

 

自動車分野

試作形状の確認(ラピッドプロトタイピング)や、修理部品など少量品の生産がされており、今後は電気自動車に向けて軽量化する取組に使用される事が予測される。

 

金属粉末を使用した(AM)積層造形

金属粉末をレーザで焼き固める。

 

方法は大きく分けて以下の3つが存在する。

パウダーベッド方式

https://monoto.co.jp/3dprinter/

金属3Dプリンタとは?金属3Dプリント方式と工作機械のAM技術 (monoto.co.jp)

 

敷き詰めた金属粉にレーザを照射し、造形する。

 

メタルデポジション方式

https://monoto.co.jp/3dprinter/

金属3Dプリンタとは?金属3Dプリント方式と工作機械のAM技術 (monoto.co.jp)

 

金属粉を積層したい場所に供給しながらレーザを照射して造形する。パウダーベッド方式よりも造形スピードが速く、金属粉末の除去が不要であることが特徴である。また、摩耗部分に肉盛りして修復する使い方もできるが、寸法精度がパウダーベッド方式に劣る点がデメリットである。

 

ADAM方式

樹脂材料を用いた3Dプリンタのように、材料をノズルから押し出して造形する。金属材料とバインダー(接着剤の役割をする樹脂)を混合した素材を使用し、造形後は脱脂洗浄してバインダーを取り除いた後、焼結を行い完成させる。

 

 

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