プラスチック資源循環戦略【技術士キーワード学習】
プラスチック資源循環戦略について
プラスチック資源循環戦略の背景
世界的に、廃プラスチックの有効利用率の低さや、海洋プラスチック等による環境汚染が問題となっている。我が国では国内で適正に処理、3Rを率先し、国際貢献も実施しているが、アメリカに次いで世界で二番目の一人当たり容器包装排気量となっており、さらにアジア各国でプラスチックごみの輸入を制限していることから、国内で循環させることが必要となっている。
プラスチックごみについて、我が国に求められる姿
3R+Renewableによって、ワンウェイプラスチックの量を減少させる。
プラスチックごみ削減についての問題点と課題
多面的な観点から、プラスチックごみ削減の問題点3つ
プラスチックごみの使用削減と再生利用
3Rの観点から、一度の利用で捨てられるワンウェイプラスチックの使用量削減、プラスチック資源の効果的な分別回収と、効率的にリサイクルできるシステムの開発が必要である。
生分解性の素材や焼却できるプラスチックの導入
技術開発の観点から、従来の石油由来のプラスチックの使用量を減らすために、可燃ごみとして廃棄可能なプラスチックや、自然に分解される素材を導入、普及させることが必要である。
プラスチックごみ削減のためのシステム
仕組みの観点から、ワンウェイプラスチック削減のための技術開発、サプライチェーンの構築などを支援し、経済活動の中で自然に実現できるシステムを構築する事が必要である。
最重要課題
我が国では2020年からプラスチック製レジ袋の有料化が施行されるなどプラスチックごみ削減の取組が始まっているが、足元を見ると依然としてプラスチックへの需要が高いことから、代替プラスチックの使用が有効であると判断し、「生分解性の素材や焼却できるプラスチックの導入」を最重要課題と考える。
最重要課題の解決方法
参考:mat21012630_2.pdf (env.go.jp)
バイオマスプラスチックの導入
プラスチックの代用として紙素材の使用が考えられるが、食品の容器やシャンプーなど、水分によって破れる事が考えられる事や、プラスチックは加工性が良い事から、バイオマスプラスチックを導入する。
生分解性プラスチックの使用
農業分野では、少子高齢化による農業従事者の減少への対策として機械化をする農家が多くなっているが、機械で野菜などを収穫する際に、温度調整・乾燥防止・雑草抑制などの目的で使用するマルチフィルムを巻き込むことがある。生分解性フィルムを使用する事で、巻き込まれたマルチフィルムは自然に分解されるため、環境への影響が低減できる。