工作機械にかかる力について【技術士キーワード学習】
参考:切削加工とは | 切削加工 | なるほど!機械加工入門 | キーエンス (keyence.co.jp)
工作機械にかかる力について
工作機械に力を掛けると変形しようとするが、それに対して対抗するための力が同時に発生する。その性質を「剛性」と呼ぶ。剛性には静的剛性と動的剛性が存在する。
静的な力の特性
作用する力の方向と大きさが一定である力である。テーブルやチャックに工作物を設置したときには、工作物の重力が静的な力として機械に力を与える。
動的な力の特性
作用する力の方向や大きさが不定である力のことである。加工時、ワークや工具が回転したり、加工の負荷が掛かったりすることで発生する。また、この動的な力によってびびりなどが発生する。
工作機械にかかる力の具体例
工作機械の代表として旋盤型の複合加工機を挙げ、工作機械にかかる静的な力と動的な力について述べる。
静的な力の具体例
ワークの自重
ワークの自重によって主軸のたわみなどが発生する。
工具の自重
ワークの自重と同じように、工具の自重によって工具軸のたわみなどが発生する。
動的な力の具体例
加工負荷
加工時の送り、回転数、取り代によって加工負荷が変化する。また、複雑な形状による断続切削では加工負荷の値が大きく変化し、びびりが起こりやすくなる。
ワークの振れ
取り付け誤差や遠心力等により回転時にワークの振れが発生する。
工作機械にかかる力が加工性能や工作機械に及ぼす影響
代表として加工負荷を取り上げて、その力が及ぼす加工性能や工作機械に及ぼす力について述べる。
回転数、送り、切り込み量が大きくなると工具に掛かる負荷が大きくなるが、断続加工になると負荷の時間変動が大きくなり、びびりにつながり、表面性状が悪化する。