トップランナー制度について【技術士キーワード学習】
トップランナー制度について
トップランナー制度とは
自動車や家電などに対する、省エネ推進の政策である。対象となる製品の製造または輸入事業者に対してエネルギー消費効率の目標を示して達成を促している。
トップランナー基準の決め方
現在商品化されている製品のうち、エネルギー消費効率が最も優れているものの性能に加えて、技術開発の将来の見通しを考慮して決定する。
トップランナーを制定した背景
我が国のエネルギー自給率は、2019年で12.1%、2020年で11.2%と、エネルギーのほとんどを海外に依存している。一方で消費するエネルギーは増加しており、現状のままでは海外のエネルギー供給が途絶えると国そのものが破綻する可能性がある。そのため、国全体で省エネを推進し、日本のエネルギー供給構造の脆弱な点を補う必要がある。
トップランナー制度についての問題点と課題
産業部門のエネルギー消費量の抑制
オイルショックの際にエネルギーの合理的な使用について注目が集まったことがきっかけで省エネ法が定められ、産業部門のエネルギー消費量抑制に成功した。
民生・運輸部門におけるエネルギー消費量の抑制
エネルギー消費量が続く民生・運輸部門では、エンドユーザーが使用する機器のエネルギー消費を抑制異する事で、エネルギー消費を抑制する方法が採用された。トップランナー制度では、エンドユーザーが機器を更新するだけで自動的に省エネになるような制度設計になっている。
技術効果と成果について
トップランナー制度適用の効果
エアコンに対するトップランナー制度の効率
トップランナー制度の適用により、消費電力を削減している。
電気冷蔵庫の効率
トップランナー制度の適用により、冷蔵庫は大型化し、かつ消費電力量も低減している。
給湯器の効率向上
既に使用しているガス給湯器にレトロフィットさせるコジェネレーションシステムにより、お湯に加えて発電をする事もできる。
照明機器の効率向上
LEDは長寿命であることから、蛍光灯のライトをLEDに転換すると、ライトの交換回数が減るため、イニシャルコストの差額を逆転する。