工場勤務は底辺すぎ?答えはNO。【今ではホワイトな人気職場もある】
「工場勤務?底辺だねえ」こんな事言われたことはありませんか?
言われたらムカつくのと同時に、「工場って底辺なのかな?」と心配になると思います。
実はこの考え方って、昭和時代には実際にあった価値観らしいですが、それからもう30年以上も経った今でも、変わらず底辺なのでしょうか?
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答えはNOです。
実際蓋を開けてみると、給料は悪くないし、休みは確実にあるし、福利厚生も充実していて、家や車のローンも通りやすい、素敵な仕事です。
工場で働く人は自分たちの仕事にもっと誇りを持ってほしいと思います。
あなたたちがいなければ、日本で自動車が走れません
他にも、あなたたちがいなければ使えない、手に入らないものがたくさんあります。本当にありがとうございます。
ものづくりの世界に足を踏み入れて10年、今では工場で偉い人をしている筆者が、「底辺」という言葉に全面的に反論していきます。
今では工場は女性も積極的に働いている職場だって知ってましたか?
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工場勤務は底辺すぎ?答えはNO。
「工場勤務は底辺過ぎるよね」と色んな人が言ってくると思いますが、現実を少し見てみると、答えはNOだってわかります。
一例ですが、工場勤務はそこら辺のブラック企業より圧倒的に人間らしい仕事ができます。
- 給料が比較的高い
- 休みが確実に取れる
- 福利厚生がしっかりしている
- 家族と良好な関係を築けている家庭が多い
- 車や住宅のローンが通りやすい
少し詳しく解説しますね。
給料が比較的高い
製造業って、実は給料が他と比べてまだまだいいです。
理由は、日本の基幹産業なので、優秀な人材に入ってほしいからです。
実は、美容大好きな女性が、サービス業を辞めて工場で働いて稼いで、更に綺麗になるなんて事例もあるそうです。
給料高くなきゃそんなことしないので、他と比べたらいい給料だという事例になるかなと思います。
休みが確実に取れる
最近はサービス業と比較した結果、工場勤務を選ぶ人もいます。
理由はまさにこれで、製造業は休みがとりやすいんですよね。
ちょっと寝ぼけて機械に触れるとすぐ手がちぎれる危険と隣り合わせなので、休みに関しては相当厳しいです。(しっかり休まないと怒られる、当日朝体調が悪い事を隠しちゃダメ、危ないから。ものすごく大切に気にかけてくれます)
また、多くの会社は土日休み+長期連休も確保できるので、家族や友人との計画が立てやすいのも魅力です。
福利厚生がしっかりしている
福利厚生の内容は会社によりけりですが、同じ会社の中なら福利厚生の内容はみんな同じになっていると思います。
休み、通勤や家賃の手当て、会社の福利厚生施設の利用、食費などなど、工場勤務もデスクワークも同じ福利厚生を享受できるので、良い会社に入ればマジで幸せです。
家族と良好な関係を築けている家庭が多い
私の見た限りでの話ですが、工場で働いている人の方がオフィスワーカーよりも家族関係が良好な話をよく聞きます。
理由は色々あると思いますが、個人的に大きそうだと思う理由は、家族と会う時間が少ないから、、、なんじゃないかなと。(元も子もないですが)
- 設備メーカーだと、出張で数週間~数か月帰らない
- 昼夜勤のあるラインだと、1週間丸々会わない
「結婚後の最大の息抜きは旦那と顔を合わせなくていい日がある事」ともいうので、関係しそうだなと思っています。
あとは上記の理由なら手当もつくので、お給料にも余裕があるのも一つの理由になりますね。
月に一回家族旅行とか、外食とか、そんな感じで家族サービスも楽しめそうです。
車や住宅のローンが通りやすい
工場で大量採用している会社だと、大体大手のメーカーですよね。
そうなると、会社に対する信用が高いので、工場勤務の人も車や住宅のローンがバンバン通っているのをみます。
一生懸命働くなら、やっぱり大企業だよなと思うところです。
次に、工場勤務が底辺過ぎると言われる理由について見てみましょう。
工場勤務が底辺すぎると言われる理由と反論
工場勤務が底辺過ぎると言われる理由には、こんなようなものがあります。
- 誰でもできる仕事
- 学歴の低い人が多い
- 給料が安そう
- 仕事がきつそう
- 作業が単調で精神的につらそう
これらについて、そういわれる理由と更に反論をぶつけたいと思います。
誰でもできる仕事
周囲の一番の勘違いですよね、これ言う人は100%工場勤務したことが無い人です。
工場での仕事は、気候への対応、昼夜勤する体力、確実に間違えない丁寧さなどが求められるので、体力と緻密さが求められる、センスの必要な仕事です。
選ばれた人しかできない仕事だよなあと、私は思っています。
学歴の低い人が多い
確かに中卒高卒の人もいますが、実は工場には大卒、大学院卒、留学経験者など様々な人がいます。
オフィスワーカーに比べると中卒高卒の割合が増えますが、その分実地の経験が豊富なので、同じ年だと現場の人の方がものをよく知っていることが多々あります。
実際私も工場に足を運んで教えてもらう機会がたくさんあります。
給料が安そう
これは一応事実です。
- オフィスワーカーはルールを作る側
- 現場はルールを守る側
なので、同じ会社のオフィスワーカーと現場作業員を比べるとオフィスワーカーの方が給料が高いです。
が、しかし、最近は現場作業員が不足していて給料を上げないと雇えないので、オフィスワーカーとの差が若干縮まってきている気がしています(あくまで体感です)
さらに製造業の業界自体は給料がそれなりに高いので、業界平均で比べたら「給料が安い」はNOです。
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私は783万円と出てきました。
仕事がきつそう
現場での歩き回りっぷり、力仕事っぷりを見ると確かに「仕事がきつそう」と思いますよね。
実際体力的にはかなりきついですが、しかし限界も身体でわかる分安全です。
さらに製造業では休息時間を厳しく管理しているので、徹夜で何日も働くみたいなことはありません。
逆にオフィスワーカーは目に見えないストレスと戦っているので、知らない間に病気になって再起不能になる人もたくさんいます。
きっちり身体を休められる分だけ、製造業の現場は身体にやさしいです。
作業が単調で精神的につらそう
単調作業が苦手な人にとっては、ライン作業で8時間ずーっと同じことをし続けるのが苦痛かもしれません。
これは解決方法が3つあります。
- ライン作業じゃない現場仕事を選ぶ
- 測定室など、ライン作業じゃない職場に配置してもらう
- 仕事時間を有意義に活用する
私は個人的にライン作業は好きで、単調なリズムによって集中力を高めて考え事をしています。
将来の夢、自分のやりたい事、今後の目標などをひたすら考えられるので、結構有意義な時間になっています。
工場勤務が底辺すぎたのは昔の話
昔は確かに、「工場勤務は底辺過ぎる」といわれていました、どういう理屈なんでしょうか?
答えの一つは、貧しい家庭の子供は学校に行けなかったからです。
教育や躾とかいう概念を勉強し終わる前から働きに出なければいけなかったので、高等教育を受けている人との差が大きかったんでしょう。
いまでは当たり前に高校大学に行く時代です。
ワルもだいぶ文明化されて、話せばわかる人が増えました。
むしろ底辺なのは、色眼鏡のまま見てくる周囲の人だよなと、仕事に貴賤はないんだよと、教えてあげたいですね。
3K(危険、汚い、きつい)と揶揄された
昔の工場の環境は、それはひどかったそうですね。
エアコンもなく夏は暑い、冬は寒い、今みたいに健康管理もないので朝から晩まで馬車馬のように働き、使っている機械に安全装置が無いのでミスするとケガもするし、非常に環境の悪い職場でした。
だからこそ他に働き口が無い人しか来ない仕事の代名詞でしたが、今では女性も現場で働くんです。
危険、汚い、きついは相当改善されたんだろうなって想像つきますよね。
実際工場にはエアコン完備の場所もあるし、重いものはロボットが運んでくれるし、3Kから徐々に脱却しつつあります。
とにかく働けで休みが無かった
昔は今みたいに残業規制もなかったので、ずーっと仕事仕事でしたよね。
朝から晩まで仕事、深夜まで飲み会、そのまま仕事なので、体力は相当きつかったはずです。
今は仕事~仕事の間に8時間空いてないとダメとか、いろいろルールがあるので解決されました。
女性の工場勤務はほとんどいなかった
昔の工場勤務はガチガチの肉体系だったので、女性が働けるような職場じゃありませんでした。
さらに汚い、きつい、危険だったので、女性人気も低いのも当たり前ですよね。
今は工程によっては女性が多い所もあるので、だいぶ変わりましたよね。
▶【教えちゃダメ】工場で働く女子がかわいいんだ。【仲良くなる方法】
大きい企業では、「女性社員が増えた」という会社も多いです。
過去三年でも増えていて、圧倒的に少なかったかなり以前と比べたら相当増えたんだなというのが数字でもわかると思います。
1.女性正社員等の人数の過去 3 年間での変化
(1)女性正社員
女性の正社員の人数が過去3年間でどのように変化したか尋ねたところ、「増えた」が9.1%、
「やや増えた」が 14.8%、「ほぼ変わらない」が 58.3%、「やや減った」が 5.2%、「減った」
が 3.3%だった。増えたとする企業(「増えた」+「やや増えた」、23.9%)の割合が、減っ
たとする企業(「やや減った」+「減った」、8.5%)の割合を約 15 ポイント上回っている(図
表3-3-1)。
工場が底辺過ぎる?他の仕事も似たようなもんです
最後に、工場が底辺過ぎるのか?について、思い切り強く反論したいと思います。
時代も変わったので、今となっては工場勤務も他の仕事の似たようなもんです。
気持ちいい反論を3つ挙げておきます。
- 誰でもできるように設計するのが仕事。つまり上級職以外は皆同レベル
- オフィスワーカーはストレスと過労のわりに給料が安い
- この議論では職種ではなく、企業規模が決め手になる
少し深堀りしますね。
誰でもできるように設計するのが仕事。つまり上級職以外は皆同レベル
仕事の定義は、「付加価値を付ける事」です。
つまり「言われたことを日程通りにこなす」のはただの作業なので、仕事ではありません。
つまり、オフィスワーカーの大半も、ただの作業者なんですよね。
一部の○○長という役職が付いたリーダー以外は大体似たようなレベルです。
バタバタ納期に追われて、生産性も低くレスポンスも遅いオフィスワーカーの方がむしろ底辺まであります。
オフィスワーカーはストレスと過労のわりに給料が安い
意外と軽視されがちなのが、心の問題です。
オフィスワーカーは体力仕事ではないので疲れについて軽視されがちですが、彼らはストレスと睡眠不足と戦いながら、心をすり減らして仕事をしています。
ケガをしても、心が元気なら幸せに生きれますが、心の健康を害すると身体は元気でも幸せになれません。
そのリスクに晒されていることを考えると、オフィスワーカーは過労のわりに給料が安いのでコスパはあんまりよくないです。
この議論では職種ではなく、企業規模が決め手になる
最終的な結論として、工場勤務もオフィスワーカーも、「どっちもどっち」です。
- 工場勤務は体力がきつく、オフィスワーカーは心がきつい
- 言われた事をやるだけなので大半の人は作業者でしかない
職場や職種で比較しても明確な勝負がつかないので、結局決め手になるのは企業の規模ですよね。
大企業は不景気に強いしお給料も平均的に高いし、福利厚生もあるし、サボってもお給料もらえます。
さらに、大企業ならどこの職場で働いていても同じ福利厚生なので、職種とか関係ないですよね。
工場勤務=底辺という事実が、昭和の時代にはありました。
しかしその経験をもってこの30年、製造業では努力の末、職場環境が大幅に改善されました。
さらに周りの他の職種がどんどんブラック化していくにつれて、最近では工場勤務を進んで選ぶ人もいるくらいです。今ではかわいい女性も働いていたりするので、工場勤務は楽しいですよ。
当ブログでは筆者がものづくりについて勉強しながら知ったことを記事にしています。
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将来の夢は、製造業のみんなが気軽に集う場所を作る事です。
それでは明日もものづくり、頑張りましょう!