製造業のやりがいって何ですか?【ものづくりがもっと楽しくなる】

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製造業のやりがいについて悩んでいる人向けの記事です。

 

ここ数年、日本のものづくり神話が崩れつつあります。

  • 機能面のニーズのアンマッチ
  • 品質の低下
  • データ改ざん
  • 海外レベルの向上
  • コロナによる世界的な経済の冷え込みもあり

など、日本のものづくりに非常に厳しい風が吹いています。

 

例えば日野自動車のデータ改ざん問題:

日野自動車の認証取り消しへ データ改ざん「重大不正」―斉藤国交相(時事通信社)
日野自動車、「データ改ざん」による重すぎる代償(東洋経済オンライン)
日野自動車が排ガス不正 あまりに痛いグリーン時代のオウンゴール(日経ビジネスオンライン)

 

とはいえ現在私は中国でものづくりに携わっていますが、実際に海外に行ってみて気づいたことがあります。
それは、日本の品質へのこだわりが実って、現在の信頼につながっているという事。

 

中国には世界中の国から部品製造の依頼が来ます。
アメリカ、ヨーロッパ、日本、その他アジアなど、本当に様々です。

その中でも、とりわけ日本だけ、品質に異常なまでのこだわりを持っています。
他国では、「問題が発生しなければいいよ」と言われるような内容に対して、「なぜ問題が発生しないのか」「万が一発生したらどう対処するのか」など、品質問題が発生する前から品質問題が起こった時のように準備を行います。

確かに、仕事を受ける側からすると「厄介」「面倒くさい」かもしれません。
しかしこの面倒くさい作業のおかげで私が勤めている会社も品質レベルが保証されているし、他社からの評判も上々です。

 

 

しかし、日本の今後のものづくりは今、方向転換を求められています。

日本のものづくりへのこだわりは「過剰品質」とも捉えられ、こだわりが強いためにコストがかかり、価格競争力に弱点を持っています。

 

とはいえ、譲れないものもあります。

品質こそが日本の強み、誇りであって、日本から品質をなくしてしまうと特徴のない製品になってしまいます。

 

 

あなたは、他国のやり方に迎合するのか、日本のやり方を広めるのか、どちらが良いと思いますか?

私は日本のものづくりの技術や考え方は素晴らしいと思っているし、この火を絶やしたくないので、日本のやり方を改善しながら広めていくっていう活動をしていきたいと思っています。

 

本記事のテーマ

今まで見てきたものづくり系企業の中から、日本の製造業の共通点を紹介、製造業のやりがいを探すヒントになりそうな情報をシェアします。

日本のものづくりにおいて、誇れそうだなと思った部分を紹介します。

 

 

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Twitter:(@Japan_MFG_Tomo

 

今回は、日本のものづくりの素晴らしさを、日中台30近くの製造業関係の拠点を見てきた筆者が語ります。

品質、ルールの順守、あたりまえの基準の高さが日本のすばらしさです。

 

 

製造業のやりがいって何ですか

製造業のやりがいは、本当にたくさんあります。

お金が無限にあって、時間も自由に使えるなら、製造業ほど面白い仕事はないという人もたくさんいます。

 

その中で、色んな人に共通する、「製造業のやりがい」を3つだけ紹介します。

  • 「これを作りたい」が実物となって実現できる
  • 工程が管理できると本当に不良品が減る
  • 日本の品質への考えは本当に素晴らしい

これらについて、深掘りします。

 

「これを作りたい」が実物となって実現できる

 

製造業と一言で言っても自動車や飛行機などの乗り物、スマホやパソコンなどの通信機器、家電やゲーム機など、定義が広いです。

しかし製造業共通のやりがいとして、「これを作りたい」を実現する仕事であることは同じです。

 

  • 企画:これを作りたい
  • 研究開発:どうやって作るか
  • 設計:量産するための改良
  • 生管:生産スケジュールを立てる
  • 製造:実際に物を作る
  • 品保:製品の品質を守る

などなど、みんなで力を合わせて「これを作りたい」を実現します。

企画段階から絡むと大変だけど、経験と楽しかった思い出が残るのが製造業。文化祭の準備に近いものがあります。

 

 

工程が管理できると本当に不良品が減る

 

日本製製品の信頼が今でも厚いのは、日本製の不良品率が一般的に低く、致命的な不良が少ないからです。

例えば先日Twitterでバズってた「Nationalっていう謎のメーカーです」というツイート

 

 

今は社名をPanasonicに統一しましたが、当時の国産メーカーってこんな感じで丈夫で長持ちで凄かったんです。
90年代くらいまでの人だと、そんな認識ありますよね?あ、ありますよね・・・?

 

 

それから日本のものづくりが伸び悩み始めて、「中国の時代が来たかな?」と思い、実際に中国に行きました。

結果、お客様は日本、ヨーロッパなど多岐にわたりましたが、比べると、日本の当たり前は、世界だと目を見張る素晴らしいものだと知りました。

もちろん、海外の現場でも工程管理手法を使っています、しかし、「なぜこの管理方法なの?」と聞くと、詳しく知っている人は一部のキーマンだけだったりします。

現場まで品質徹底の考え方が伝わっていなくても、確かに十分に仕事は回ります。
しかし現場まで考え方が浸透している日本のものづくりの方が、不良品の流出は少ないだろうなというのが体感としてもわかります。

 

日本の品質への考えは本当に素晴らしい

 

日本の品質へのこだわりは本当に素晴らしいです。
「物ができてればいいじゃん」というのが一般的な考えですが、日本では作り方まで気にします。

 

例えば自動車業界のとある会社の工程監査では

  • 作業者はどのような道筋で歩くのか
  • 右手で操作するのか左手で操作するのか
  • エラーを見つけたらどの順番で報告するのか

などなど、細かい動きまで規定することを求められています。

 

しかし日本以外のメーカーでは(全部を見たことはないですが、現状の身の回りでは)

  • 品質ができていればOK
  • 書類は、存在していればOK

こんな感じでものが進んだりします。
このギャップに最初は非常に驚きました。「こんな緩くていいの?」って感じです。

 

日本のものづくりって要求が面倒くさいし融通が利かないし、しかも金払いも悪いので厄介ですが、品質へのこだわりに関しては確かに本当に素晴らしいなと思います。

 

製造業のやりがいについて、みんなの声を集めてみました

製造業のやりがいについて、身の回りの人に軽く聞いてみました。

 

質問:製造業のやりがいって、どんなものがありますか?

 

  • 課題を解決したときの達成感が気持ちいい
  • 自分の設計したものが世に出るのが誇らしい
  • 日本の基幹産業を支えている実感がある
  • 改善する過程が楽しい
  • 仕事をするとスキルと知識がたまっていく

自分の成長を感じられること、自分の存在を肯定してもらえること、自分の成長につながることが製造業のやりがいに繋がっています。

 

製造業にやりがいをもって、日本のものづくりを守りたい

ここで私の思っていることをお話します。

製造業は、今後も必須の業界として、世界に残ります。

 

例えば、中国では2045年までに製造業大国のトップになるという目標を掲げています。
(参考:Jetro「第13回共産党大会の決議を公表、2045年に先進国入り目指す」)

日本人が半分諦めかけていて、「もうオワコンだ」と思っている人もいる製造業ですが、中国はあと20年は投資し続ける姿勢を見せています。
実は全然オワコンなんかじゃないんですよね。

 

今は向かい風の時期ですが、将来必ずまた追い風が来ます。
そのために日本のものづくりを残しておかないといけない、そう思っています。

 

 

また考え方の一つの例として、
今は日本円がとても安くなりました。ドル円では民主党政権時代の1.6倍程度です。

参考:Google

 

こうなると、海外企業が積極的に日本株、日本企業、日本の従業員に投資し始めます。
「コスパがいいから」です。

 

となると資本主義の自然の流れとして、日本はもう一度発展のチャンスが来ると思っています。
外からのお金が入ってくるからです。

 

 

日本の技術は長い年月培ってきた物

 

ものづくりの技術は、数年で身に付くものではありません。
大学、大学院と勉強して、会社に入って5年くらいして、30歳近くでようやく一人の技術者になります。

 

スキルを身に付けるまでに長い年月を要する業界の中で、日本は世界のトップを争ってきました。
その期間数十年です。
今の向かい風で放棄してしまうには、惜しい資産ですよね。

 

とはいえ私は技術の専門家でもプロでもないので、教科書やネットで習える部分の知識は提供できます。
なので本サイトを立ち上げました。(技術の基本的知識はトップページに載せています:ものづくり王国にっぽんTOP

 

一度失った技術は、もう戻って来ない

 

上でもお話したように、製造業のスキルは身に付けるのに時間がかかります。
知見を先輩から後輩に脈々と受け継いできたので、今の技術があります。

 

しかし一度手放してしまうと、受け継いでくれる先輩がいなくなります。

同じ技術をもう一度手に入れようと思って頑張っても、手に入れるころにはその技術すら時代遅れになっています。
製造大国がこれまでゆるぎなかった理由に、知見の蓄積がありました。
これを放棄してしまうと、もう戻ってくることはできません。

 

しかし世界各国で平和に対する緊張が高まっている今、製造業を手放す=国の存亡にかかわります。
「戦争に参加しない」「戦争に加担しない」平和の象徴としての国ですが、自国を守る必要はあるので、日本も軍事予算を持っています。
2021年の新聞では6兆円越えとの情報も(参考:東京新聞

 

不良品が怖いなら、余計なチップが怖いなら、日本製を応援するしかない

 

〇〇製は危ない、怖い、すぐ壊れる、不良品が多い、余計なチップが入っているなどなど、海外製品に対する恐怖感があります。

安全安心を求めるなら、国産を買うしかないですよね。

 

日本製品は確かに使いづらいし、使わない機能のせいで価格が高止まりしていますが、私たちが応援し続けていれば、いつか求める機能を求める品質で手に入るように、企業も改善をしてくれるはずです。

そのためには、日本の企業を応援するつもりで、日本製のものを選んであげる事が必要ですよね。

 

 

例えば、安くて人気から天下を取った例として、中国のスマホがあります。

使いやすいし安いし格好いいから中国製のスマホが徐々に徐々に、世界中から支持されていきました。
結果今では中国はスマホ大国ですよね。
もしみんなが日本製を買っていたら、日本が世界に向けて良い製品をリリースできていたかもしれません。

さすがに世界は無理だとしても、もしかしたら今でも国内のスマホ市場に日本メーカーのスマホが並んでいたかもしれないし、シャープも日本の会社だったかもしれないし、ダイナブックも東芝の製品だったかもしれません。

 

私たちが好んで外国製を買ううちに、日本メーカーは日本のメーカーじゃなくなり、日本のものづくりは本当に無くなってしまいます。

 

企業の成長のために、日本製を応援してあげたいですよね。

 

海外で実際に見つけたものづくりの怖さ

 

海外で仕事をしていると、言葉の壁からつい言いくるめられて、ごまかされることもあります。

しかし目で見た事実は言葉関係なく理解できます。

 

例えば、海外で実際に見つけたものづくりの怖さとして、こんなことがありました。

  • 明らかな不良でも、自分の範囲外だとそのまま流す
  • 話していることと事実が全くかみ合わない
  • とりあえず適当に回答してお茶を濁す
  • 心配事があっても、問題が発生しなければ提言しない
  • 100個中1個不良品があっても、99個は良品だから完璧だと言ってくる
  • 「問題ない」が一番問題をはらんでいる

 

ある程度の怖さは日本でも見てきましたが、海外はもっとおおざっぱなんだなあと驚きました。

 

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製造業は今、転換期を迎えています。

  • 自動車の業界にかじりつくか
  • 他の業界に挑戦するか
  • 製造するのか
  • ファブレスにするのか
  • 日本で仕事をするのか
  • 海外で仕事をするのか

色んな選択肢から一つを選ぶことを迫られていて、どれが正解かなんて誰も分からない、未知の塊です。
そんな状況で日本の製造業の生き残りをかけて、あなたとつながりたいと思っています。

 

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これから製造業の生き残りをかけて必死に頑張っていくので、今後ともよろしくお願いいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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