コストダウンによる製造業の破滅【大手企業が製造業を崩壊させる】

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コストダウンによる製造業の破滅【大手企業が製造業を崩壊させる】
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こんにちは、ものづくり王国にっぽん運営者のとも(@Japan_MFG_Tomo)です。
最近は技術の勉強や製造業の日中通訳や技術営業職など、一社にとらわれない働きをしています。

 

過去に大小、メーカーサプライヤー問わず色んな企業を見てきましたが、「コストダウン」は世界共通の課題なんでしょうね。
日系だけでなく、ヨーロッパの会社でも「年○パーセントの値下げ」は契約に盛り込まれています。

 

(他所がどうであるかは置いといて)コストダウンに関して、日系の大手メーカーは中々えげつない事をしていますよね。Twitterでもよく話題になります。

 

先日、こんなツイートをしたら大きな反響を呼びました。

 

皆さん思うところがあるらしく、色々と深い話をしてもらえました。

 

 

 

そこで本記事では、大手企業のコストダウンが、日本の製造業を破壊するというテーマで内容を書きたいと思います。
とはいえ大手企業の人の気分を害しても良くないので、優しい言い方で書いていきたいと思います。

 

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コストダウンと製造業の未来の関係

コストダウンには良いコストダウンと悪いコストダウンがあります。

 

  • 良いコストダウンは「無駄の排除」により収益力を上げます。
  • 悪いコストダウンは「コストダウンありき」で品質を落とし、企業体力を奪います。

すこし深掘りします。

 

適度なコストダウンは企業の競争力を上げる

 

「適度」さえ守ればコストダウンは企業の競争力を上げる事が期待できます。
販売価格を少し落として販売数を増やしたり、増えた利益を活用して販売促進につなげたり、ボーナスとして社内に還元する等、色んな選択肢が増えますよね。

 

良いコストダウンは自社内で完結するか、サプライヤーからの提案により実現する事が多いです。
特にサプライヤーからの提案はメーカーとの関係性ができている証でもあるので、品質を守りながらコストダウンにつなげる事が期待できます。

 

過度なコストダウンは業界の未来をつぶす

 

しかしコストダウンには悪いコストダウンがあります。
行き過ぎたコストダウンは品質を落とし、収益性を落とし、社内への還元を減らし、従業員が流出、更に品質を落とし…というループに陥ります。

 

メーカーからの強制によるコストダウンが、この悪いコストダウンにつながる事が多いです。

「年3%の値下げをする事」という契約があると、毎年自然に3%売上が下がるわけで…

 

こっそり管理項目を減らしたり、検査を飛ばしたりという悪い工程変更が起こります。

 

サプライヤーは掃いて捨てるほどいるレッドオーシャン

 

なぜ悪いコストダウンが起こるのかというと…
サプライヤーはレッドオーシャンなので、価格勝負になるからです。

 

サプライヤーAがダメならサプライヤーBで、、、と無限に候補があるので、底値で受注、コストダウン要求で収益性悪化の繰り返しが起こりますが、メーカーからすれば「使える」サプライヤーがいくらでもいるのであんまり困ってないですよね。

 

 

御社のコストダウン要求が製造業の未来を奪う

主観たっぷりの本記事ですが、言いたいことは、メーカーの強いコストダウン要望により製造業が日に日に弱くなっていきます。

「今さえよければ…」の精神により日本の製造業も競争力を失ってしまいましたね。

 

 

近年は理不尽なコストダウン要求が多い

 

近年は理不尽なコストダウン要求が本当に多いです。
品質低下が分かっている材料変更を強行させて、関連の損失はサプライヤーで吸収させる。

「我々の顧客がコストダウンを要求しているので、あなたたちにも協力をお願いします」とサプライヤーにコストダウンを丸投げ。

 

元々こういう事例はあったのかもしれませんが、私は最近良く感じるようになってきました。

 

試験費を出せないまま試験をさせる

 

以前あったのが、先行着手を指示して試験をさせる、しかし結果が良くなかったので支払いを拒否という案件。

 

事前のテスト方法に関する十分な打ち合わせと、試験前の発注手配があればサプライヤーも改善策を検討しながら試験ができますが、試験費の支払いも事前の打ち合わせもなくサプライヤーに丸投げで試験させる大手メーカーもあり、日本の技術力も相当落ちたなと感じました。

 

そもそも下請け法違反だし、サプライヤー丸投げの技術開発は無責任すぎるし、結局何にもならずに試験は失敗に終わりました。

 

 

サプライヤーの企業努力を吸い上げて利益を出している

 

メーカーの技術力も相当落ちてきたので、結局はサプライヤーの企業努力を「契約なので」と吸い取るだけになってきました。
「コストダウンは御社の仕事、品質を守るのも御社の仕事、私たちはお金を払っている」とか平気で言ってくる購買部部長がいて、「こりゃやべーな」と感じました。

 

 

コストダウン病に、製造業は侵されている

現代のメーカーは「コストダウン病」という病気に侵されています。
上記のように開発のための技術力も落ちたし、差別化できる機能も設計できなくなったし、結局今できる事は「値下げ」だけなんですよね。

 

大手メーカーも、夏のキャンペーン、冬のキャンペーンみたいな形で値段を下げたりしています。

 

値下げするには製造コストを抑えなければならず、そのためにサプライヤーに寄生して利益を吸い尽くしています。

 

 

価格勝負をさせられている

 

メーカーは値下げ合戦、サプライヤーも大量の受注を取るために見積もり合戦。

どこもかしこも価格勝負をさせられています。

 

安くないと売れないと思っている

 

そもそもの問題として、日本人のマインドが冷え切っているので「安くないと売れない」という気持ちが強いことがあります。

良いものを作っても高く売らないし、サプライヤーも値上げの要求をしないし、今の日本の経済そのままの事が製造業でも起こっています。

 

サプライヤーはコストダウンの宝庫だと思っている

 

メーカーは自分たちの利益を絶対に守るので、コストダウンの多くをサプライヤーへの値下げ要求から賄っています。

 

事実、サプライヤーには無駄も多いのでコストダウンはできますが、中小企業はわざと無駄を残していることもあるので、それを食い物にされるのはちょっと違うよな…と大手から中小企業に移籍してきて、思う事が増えてきました。

 

 

コストダウン要求以外に製造業を救う方法はない?

現状だと、メーカーは値下げをする事によって何とか販売数を保っている状態なので、コストダウンが必須となっています。
下請企業はメーカーの頑張りがあって初めて安定した受注を得られ、生きながらえる事ができるので、何とかして協力できないかなーと思っています。

 

自分たちの収益力を上げる

 

メーカーにまずお願いしたいのは、値下げに頼らずに自分たちの収益を確保する事。
メーカーが下請けから吸い取るのではなく、お客様に高く売れる方法は無いかを検討してほしいという事です。

 

今まで日本のものづくりはハードに強く、ソフトはハードを動かすためのおまけくらいの扱いを受けていました。

 

今はソフトでお金を稼ぐ時代。
トヨタはそこに「街づくり」というソフト側での提案を打ちました。

 

これが成功するかしないかはやってみないと分からない。
しかしトヨタ以外も挑戦する会社があっても良いんじゃないかなとは思っています。

 

 

これだけものづくりのノウハウの詰まった国、それを売り物にするのも一つの手。
結局技術は海外法人から海外へ向かって流出するものなので、それなら有料コンテンツ化してしまうのもありなじゃないかな?どうなんですかね。

 

サプライヤーは守るべき相手と考える

 

現状だと、メーカーはサプライヤーをしゃぶりつくしていますよね。
昔は「下請けを食わせる為に」とメーカーは自分たちを定義していました。

 

サプライヤーを「守るべきもの」という縛りを入れたら、どんな儲け方が出てくるでしょうか。

 

サプライヤーとの関係強化はできないか

 

せっかく技術はあるのに売りに出せないのが日本の弱点。
日本の中小企業には海外と直接やり取りしている会社もあります。

そのノウハウを交換できないか?

 

今まではメーカーが一方的に技術を提供、下請けがその通りに動くやり方と、メーカーが下請けから技術を吸い取り、ノウハウを内製化してしまうやり方と、どちらもメーカーの上手な立ち回りによって成り立っていました。

 

 

今はプロといえるメーカーの選手も減ってきたし、若い技術者も減ってきたし、何とか技術交流会みたいな形をオンラインでできないかな?

 

日本の人口も減ってきたので、中小も大企業も一致団結して技術を磨けないかなあと、日々考えています。

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