客先から「初期流動管理」が必要と言われた。何を管理したらいいの?

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悩み事:お客様より「初期流動管理」が必要ですと言われました。
何を管理したらいいですか?

簡単な回答:お客様に直接聞いて、どこを懸念されているのかを明確にしましょう。
理由は、お客様によって、製品によって重点管理したいものが違うからです。

 

量産段階に入る前に、客先から「量産してもOKだよ」という通知を貰います。
しかし量産開始からすでに工程が完璧に組み切れていることは少なくて、大体は「初期流動管理期間」を設けて、何かあればすぐに手当てをできるようにします。

 

初期流動管理の項目はその時の工程の出来具合に左右されて

  • 工場の生産能力と今後の増強予定
  • 工程品質のさらなる作り込み
  • 検査工程の一時的な強化による見落としの発見

等があります。

本記事では、初期流動管理のやり方、気を付けるポイントについて基本的なものを紹介します。

 

 

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初期流動管理が必要な理由

初期流動管理の目的を一文で表すと、
生産準備段階での見落とし(検討不足)項目を発見、予防措置を決定するため

 

いきなり大量生産して大量の不良を作り出さないように、ソフトランディングしていくイメージです。

 

スピード感をもって新製品を開発するために、開発スケジュールは無理を強いる形で組まれていることが多いです。
したがって検討不足があるのは当たり前(本来あっちゃダメですが)、その際にスピーディーに対策を打てるように、初期流動期間を設定し、生産量を落として作りながら不具合回収をしていきます。

 

初期流動管理の立ち位置(生産準備の流れ)

会社や団体標準にもよりますが、とある会社の開発スケジュールを例に挙げると

  1. 構想設計、試作
  2. 量産計画立案
  3. 故障モード分析
  4. 工程の設計と作り込み
  5. 工程監査と改善点の潰しこみ
  6. 量産試作
  7. 本格的な量産へ

こんな感じで仕事が進みます。

各工程について、簡単に解説します。

 

構想設計、試作

 

新製品のプロジェクトが始まると、まずは設計と試作から。
こんな形状で、こんな性能が満たせればOKという目標を決めます。

 

多くは内製で試作を進めて、ある程度全体感が見えてきたら外注委託先に移行します。

 

量産計画立案

 

外注先と今後のスケジュール感を共有します。

難しい形状は量産計画の中で何度か調整や変更を繰り返して工程を作っていきます。

 

故障モード分析

 

以前の経験が活きるのがFMEA分析の段階です。
過去に起きた類似製品の不具合や、事前に予想できる不具合モードを書き込んでいって、事前に予防措置を設定しておきます。

 

毎寸法に対して行うので、工程開発の部門は大変だなあといつも思っています。

慣れればいいかもしれないけど、慣れると新しい発見がなくなり、故障モードの事前評価が甘くなるので、ここは勉強が必要だなあと思っています、

 

▼帰国したら絶対に買う本

國井先生はこの道でとても有名な方らしいので、勉強させてもらいます。
kindle版があればよかったですが、現状無いので帰国後マッハで紙書籍を買います。

 

工程の設計と作り込み

 

客先と技術討論を通して製品の生産、検査工程、外注管理などを決定していきます。

この段階で外観限度見本を制定したり、加工不良率を改善するために図面修正を入れたりします。

 

量産試作

 

工程がほぼ決まれば、あとは量産可能かどうかのチェックを行います。

工程能力の確認、一日の生産数の確認、不良率のデータ取り等、量産前に工程を作りこむ段階です。

 

初期流動管理をするのはこのあたりです。

  • 不良率の確認
  • 不良項目の確認
  • 生産数の確認
  • 外観見本のアップデート

などなど、量産後は基本的に開発部門は介入してくれないので、ここが最後のすり合わせポイントです。

設計段階での見落とし項目を洗い出して、議論を通して合意していきます。

 

抜き取り検査の抜き取り方法を厳しくする、頻度を上げるなど、普段よりも不具合を発見しやすい環境で管理するのが一般的です。

 

工程監査と改善点の潰しこみ

 

工程がほぼ決まったら、お客様に実際に来てもらって、最後に改善すべきところはないか、一緒に確認します。

工程監査を行わないと量産に移行できないルールがある場合は、ここが一番の緊張ポイントです。

 

指摘を貰ったら期日までに改善し、改善の証拠を見てもらって完了します。

 

本格的な量産へ

 

お客様から量産許可をもらったら、本格的な量産に入ります。

量産試作段階と本格量産の間を初期流動管理期間と呼んでいました。

 

本格的な量産に入ったら、事前に合意した生産工程、検査工程で管理して製品を量産します。

この後は開発部門はほぼノータッチ。以後は品質部門同士でやり取りをします。

 

初期流動管理で見つけられる不具合

初期流動管理は、「設計構想段階での見落としを発見して潰しこむ」ことを目的としています。

  • 設計時の検討不十分による品質不具合
  • 治工具起因による品質不具合
  • 作業者起因の品質不具合
  • 材料起因の品質不具合
  • 外注先起因の品質不具合

など、主に4M1E関係(人、機械、方法、材料、環境)でアプローチします。

 

不良問題を発見した時の解決の方向性については、別の方のブログ記事が詳しいのでそちらを紹介します。

【生産技術のツボ】品質問題の未然防止対策を総ざらい!ステップ別の検討事項をチェック」ーアイアール技術者教育研究所

 

 

変化点があればそれが原因となり不具合が発生しやすくなるので、変更点があればそこは厳しくチェックします。

図面の変更ではなく、工程や治具、装置の微調整によって問題解決を図ります。

 

初期流動管理で使えるツール

初期流動管理では、Cpkの確認、生産日報を通常よりも多くの頻度で行います。

また工程が管理状態にあるかどうかを確認するためにXbar-R管理図を活用し、不良の割合や項目を確認するためにP図やパレート図を活用します。

 

基本的には普段の品質管理手法と同じですね。

 

生産管理用のExcelツールを開発しました。

量産工程の生産数、稼働率、OEEや不良率、不良内容分析ができるExcelツールを作りました。

 

noteにて販売中。

 

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