責任の範囲が曖昧な仕事、誰が担当するべき?【グレーゾーンの分担】
責任の範囲が曖昧な仕事で、どう処理したらいいのか困っている人向けの記事です。
会社で仕事をしていると、責任の範囲が曖昧な事が多くあります。
パターン1:「Aさんの仕事のような気もするけど、Bさんでもできそう、更に自分でもできそう」
パターン2:「Aさんの仕事でもBさんの仕事でもなさそう、当然自分にはできない」
こんな状況が多くありますよね。
入社したてのときは簡単な仕事が回ってくるので出現率が低いですが、仕事に慣れてくると、頻繁に直面します。
こんな場合、どうやって解決していくのが良いんでしょうか?
こんにちは、ものづくり王国にっぽん運営者のトモ(@Japan_MFG_Tomo)です。
以前は中国の会社にて技術通訳兼現地で技術改善の考え方を伝えるお仕事をしていました。
今は仕事をやり切り卒業し、新しい場所で技術の勉強をしています。
以前の中国の会社で働いていたとき、社内外共に「これは俺の仕事じゃない」と平気で言ってくる人の多さにびっくりしました。
本当に頼む人を間違えてるなら仕方ないですが、色々考えた結果その人に行き着いた場合は、「会議をして担当者を決めよう」となるわけです。
ついでに私も過去はJTCの大企業に勤めており、責任範囲の曖昧さを経験しましたし、
中国で大企業相手に仕事をすると、おんなじように責任の擦り付け合いで相手からのレスポンスがめちゃくちゃ遅かったりします。
大きめの企業に入ると仕事の範囲がピシッと決まっているので、少し外れると「これは俺の仕事じゃない」と平気で言ってきます。
きわどいラインの球をを裁く人がいないと、案件が停滞します。
三遊間のゴロは誰が捕るのが理想的ですか?現場のコミュニケーション能力とチームワークが求められます。
— とも@技術を知らない機械系エンジニア (@Japan_MFG_Tomo) April 21, 2022
製造業は、日本も中国も、会議が大好きみたい。
Twitter:(@Japan_MFG_Tomo)
責任範囲が曖昧な仕事は誰が担当するべき?
最初に結論ですが、責任の範囲が曖昧な仕事の担当者を決める時は、こんな感じで考えるのがおすすめ。
- STEP1:それが終わってないと困る人がリーダー
- STEP2:自分でできない部分を人に依頼して推進させる
- STEP3:出てきた結果を整理して、正式なものにする
少し深掘りします。
それが終わってないと困る人がリーダー
仕事は責任感をもってするのが基本なので、危機感を持っている人がリーダーになるのが一番理にかなっています。
自分じゃないその人が指揮をとってくれるなら、あとは自分の仕事に集中すればいいので、一番ハッピーな結論。
私も責任範囲を決定する時は、「これをやってないと困る人は誰?そしたら依頼する時の態度が間違ってるんじゃない?」と言いあったりしていました。
代わりに自分がリーダーになった時はもう平謝り、「お願いします何でもするので」状態でしたが。笑
積極的にサポート役に回ると、相対的に相手をリーダーに仕立て上げるなんて事もできます。
自分でできない部分を人に依頼して推進させる
私が中国で学んだことは、「人は元来責任感なんて無い」という事。
となると、責任感のあるあなたが指揮を執って仕事を進めるしかないんですが、その時は自分ができる事/できない事を基準に仕事を他の人に依頼することが必要です。
5分悩んでもやり方が思いつかないものは、きっとあなたの仕事ではない。
出てきた結果を整理して、正式なものにする
一旦リーダーの仕事を受けたら、その仕事は標準化するまでがあなたの仕事です。
今回引き受けて辛かったですよね、でも一度あなたが引き受けた実績ができたので、何もしないと次もあなたが進める事になります。
それを避けるために、「二度とこんな仕事はやらないぞ!」というマインドセットが必要。
どんな手順で、どんな事に気を付けながら、誰の材料を使って作成したのかを明確にして置き、メールで展開。
次回は「これはあなた、これはその人」といった具合に仕事を振り分けていけばOKです。
責任の範囲は、完璧な線引きができない
会社での仕事の責任範囲は、完璧に線引きがされていることは少ないし、完璧に線引きをこなすこともできません。
したがって、毎案件のイベントとか、毎月のイベントとか、そういった頻度の高いもの以外は明確な担当者が決まっていない事が多くあります。
理由は2つ。
- 部署は頻度の高い仕事に対して割り当ててある
- 明確に分類できるのは、作業系の仕事だけ
少し解説します。
部署は頻度の高い仕事に対して割り当ててある
会社の仕事は、頻度の高い仕事に対して最適化してあります。
- 案件ごと
- 月ごと
- 四半期ごと
みたいな定期的に起こるイベントには対応する部署がありますが、年に1回とか、特定の顧客だけとか、頻度の少ない物には明確な部署が与えられないのが普通です。
すると、業務範囲がグレーゾーンになる事がちょくちょく出てくるわけです。
明確に分類できるのは、作業系の仕事だけ
次に、仕事は状況が細かく変化するもの。
明確に分類できるのは作業系の仕事だけと言っても過言ではないでしょう。
- 生産は製造部の仕事
- 品質管理は品質部の仕事
- 機械調整は生産技術部の仕事
物を右から左に流すだけの仕事は、作業範囲を明確にしやすいです。
責任の範囲を定義する方法
次に、リーダーが不明確な時、責任の範囲はどうやって定義しましょう?
やり方は大きく分けて二つ。ただし、基本的には前者で十分です。
- 各部署の分掌を把握する
- 会議を開いて担当者を決める
各部署の分掌を把握する
整った会社には、業務分掌という書類が準備されていることがほとんど。
内容は「各部署の任務は何ですか?」といった内容。
各部署の任務がわかれば、それに照らして仕事を割り振ればOKです。
会議を開いて担当者を決める
基本は各部署の任務に照らし合わせて仕事を割り振れば良いですが、それでもグレーゾーンは存在するもの。
その時は不本意ですが、会議を開いて担当者を指名します。
各人の自覚に任せるのも手ですが、これだとその人の素質に左右されてしまうので、組織論としては良いアイディアとは言えません。
責任の範囲が曖昧な仕事を処理できるかが、チームの力
社内で責任の範囲が曖昧な仕事が発生したときに、阿吽の呼吸で役割を分担し、処理しきれるのがチーム力です。
サッカー、野球、バレー、色んなスポーツでこういった処理能力を問われる場面が出てくるので、その組織論を参考にするのもいいかもしれませんね。
「ここは俺に任せて、あいつを倒してくれ」と言える関係
各人の得意分野と苦手分野を把握しておき「あなたこれ大変でしょ、これ僕がやったらあなたの仕事は楽になるかな?」みたいな感じで、個々人のコミュニケーションを大切に仕事を分担し合える関係をつくれたら強いです。
その関係を作るには、部署を超えて協力し合う仕事の経験、部署を超えたイベントで知り合う機会を作る事などが必要です。
いちばん簡単で難しいのが、「みんなが辞めない職場を作って阿吽の呼吸を作る」ことです。
この辺はビジネス判断になるので正解は無いでしょうね。
やってくれたら得られる嬉しい事を与える
もしあなたが人を動かす立場なら、ニンジンをぶら下げるのは有効です。
「あなたがこれをやってくれると、あの人がこう助かって、最終的に会社がこう嬉しい」
そんなロジックを説明できると、協力を得やすいです。
「自分が助かる」ではなく第三者が助かるストーリーを話すともっと良いかもね、という感じ。
以上です。
私が中国で働いていて一番つらかったのが、グレーゾーンを処理してくれる人がいない事でした。
日本も中国も同じで、誰もリーダーになりたがらないし、責任を取りたがらないし、なんなら情報や労力の提供も渋ります。
それに対してどうやって動いてもらえるのかを考えるのはマネジメントのいい経験になったので、今後は日本に持ち帰ってうまい事活かしていきたいなと思っています。