ライン作業の地獄5つ。【あなたはライン作業に耐えられますか?】
「誰にでもできる仕事」というイメージのライン作業、しかし実際は「地獄」と感じる人もいるくらい、選ばれた人だけが働き続けられる職場です。
有名なのは3K・・・「きつい」「危険」「汚い」
特にキツさが異常で、夏はクソ暑くて冬はクソ寒いという職場環境の問題、人の子くらいの重さのある製品を上げ下げする肉体的な問題、絶対にミスしてはいけない精神的な問題など、屈強な人だけしかできない仕事でした。
その地獄も、今となっては相当改善されています。
ラインには複数のスポットクーラーが設置されたり、重い製品はローダーやロボットが持ち上げてくれたりして、身体的な辛さは緩和されました。検査工程での「ミス禁止」は、検査装置の発達で自動化されて解決されたものもあります。
しかし中には地獄が残っている現場もあります。
もしもあなたが地獄に足を踏み入れても覚悟できるように、そして地獄のない職場にたどり着けるように、先に地獄の内容を理解して、職場選びに活用してください。
ライン作業のなかで、特に地獄と言われる物を5つ厳選して紹介します。
先に地獄の内容を知っておけば職場選びのときに外れを避けられます。
また、地獄の少ない会社は会社の体力もあり、福利厚生もしっかりしていることが多いので、働きやすい職場で、さらにガッツリと稼ぎたいならそういう会社を探すのがオススメです。
それでは、実際に工場で働いていた経験のある筆者が、実際に見たこと聞いたことを中心にまとめて紹介します。
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ライン作業の地獄とは、どんなものがありますか
ライン作業に存在する地獄のうち、実際によく現場の人から聞く地獄を紹介します。
- 単調作業の繰り返し
- 常に時間に追われている
- トイレに気軽に行けない
- 夏は暑く、冬は寒い
- 将来の成長が見込めない
主に精神的なものが多いですよね。少し詳しく解説します。
単調作業の繰り返し
ラインでは同じ内容を繰り返し、間違えずに、決められた数量行う必要があります。
考える手間を減らして、誰でも同じようなアウトプットが出せるように、本当に単調作業だけで完結するように工程が設計されています。
単調作業の繰り返しは人によっては苦痛なようで、ストレスを感じる事もあるそうです。
常に時間に追われている
ライン作業では一定のペースで作業をこなすことを求められているので、早く終わらせることもゆっくり終わらせることも許されません。
常に時間に追われながら、誰かにペースを握られながら仕事をする事になるので、マイペースの人からすると相当きついです。
トイレに気軽に行けない
ライン作業の怖い所がひとつ、勝手にトイレに行くとその間ラインが止まります。
とはいえ生理現象なので仕方ないですよね。
ちゃんと班長を呼んで報告すれば、代わりに前後工程の人がラインをつないでくれて、それで何とかするパターンと、班長がラインに入ってラインを稼働し続けるパターンと2種類あります。
どちらの場合も人に頼ることになるので、トイレには行きづらいのは事実です。
夏は暑く、冬は寒い
工場は家みたいに断熱材が無いのか、夏も冬も外で過ごすより過酷です。
エアコンなしでは生きられない現代人にとって、過酷な温度は苦しいかもしれませんね。
将来の成長が見込めない
ひたすら何も考えず作業だけをしていると、将来の成長が見込めないことに気づき、焦って、メンタルがやられます。
特に、出世が望めないような状況だと、「あと何年これをやり続けるんだ、、、」となるので、苦しいです。
ライン作業の地獄は、徐々に改善されてきている
ラインには地獄みたいな環境がたくさんありますが、近年では徐々に待遇や、設備の面で変わってきています。
例えばこんな例があります。
- 気分転換にラインを移動させてもらえる
- 自動化によって作業内容が機械監視だけのこともある
- 人間関係がよくなり、班長が一時的に代理してラインに入ってくれる
- エアコンやスポットクーラーが導入された
- 改善提案などを頑張ると評価される
少しだけ、詳しく解説します。
気分転換にラインを移動させてもらえる
意外にも、「ちょっと飽きてきたでしょ」とか言ってフランクにラインを移動させてもらえることがあります。
生産計画によるものもあるかもしれませんが、私は週の半分はAのライン、もう半分はBのラインで生産するっていう感じで作業させてもらえました。
あとは、体力的にキツイ仕事だと、けがを心配して安全なところに移動させてくれることもあります。
自動化によって作業内容が機械監視だけのこともある
ローダーやロボットの導入によって、ライン丸ごと無人化されたところもあります。
半自動の場合はラインの入り口にワークを持っていって、出口から完成品を運び出すだけだったり、設備が止まったら調整したりっていう仕事もあります。
人間関係がよくなり、班長が一時的に代理してラインに入ってくれる
物凄くまれな例ですが、「疲れたでしょ、ちょっと休憩していいよ」とか言って組長や先輩が代わりにラインに入って作業をしてくれることもあります。
私が中国で生産応援していたら、4回中3回はお昼休みを1時間半取らせてくれました。
リーダーが女性だったので、彼女のタイプだった可能性も大いにありますが、まれにこういうのがあります。
エアコンやスポットクーラーが導入された
工場によりますが、環境が良いところだと大きいエアコンが一台どかんとおいてあるところ、スポットクーラーが天井から生えているところがあります。
工場は空調が課題なので、エアコンやスポットクーラーが設置されるだけで相当働きやすくなります。
改善提案などを頑張ると評価される
最近は短期のライン工から正社員雇用が活発になるタイミングがあります。
トヨタの期間工から正社員登用とか、そんな感じの事をよく聞きますが、会社も頑張る人が欲しいので、改善提案などを頑張ると評価されます。
また、改善提案自体もお小遣いをもらえたりするので、ジュース台から飲み代くらいになります。
ライン作業の地獄さえ辛く感じないならば、工場勤務は割と快適
ライン作業は、場所さえ選べば完璧に地獄が取り除かれた場所もあります。
が、完璧を目指さなくても、折り合いが付けられるような条件であれば、工場勤務は意外と快適です。
たとえば、工場勤務だとこんないい事があることも。
- 給料が比較的高い
- 休日が決まっているので先の予定を立てやすい
- 大型連休はしっかり休めるor時給が上がる
- 大手企業勤めだと信用がある
- 福利厚生が手厚い
製造業で働く女子、「工場女子」も増えているんですよ。
参考記事:【教えちゃダメ】工場で働く女子がかわいいんだ。【仲良くなる方法】
少し深掘りします。
給料が比較的高い
製造業で働く人は、同じような待遇で働く人よりも、給料が高いことが多いです。
理由としては
- 長期間働かない事が前提
- デパート勤務に比べて空調とトイレが劣る
- 空気が良くない
などなどがあります。
社員寮や食事の補助がある事が多いので、短期間で一気にお金をためたい人にとっては、割といい待遇だと感じるようです。
休日が決まっているので先の予定を立てやすい
24時間365日の職業が増えてきたことで、プライベートの時間の確保が難しくなりつつあります。
しかし製造業だとペース配分が割と決まっているので、休みの予定を立てたり友人と飲みに行く予定を立てたりしやすいのが強みです。
大型連休はしっかり休めるor時給が上がる
GW、お盆、年末年始は工場が休みになる事が多いです。
もしくは時給が上がる事が多いです。
したがって家族と遊びに行く予定も立てやすいし、友人とゴルフなんて予定も立てやすいのが強みです。
大手企業勤めだと信用がある
ライン作業だろうがオフィスワーカーだろうが、課長だろうが平社員だろうが、大手の企業に勤めていれば一定の信用があります。
となるといい事があって、家を買う、車を買うなどのイベントで借金をしやすいという強みがあります。
過去に一緒に仕事をした工場勤務の同僚には、独身で外車を2台、バイクを3台、借金が1000万という人がいました。
一人暮らししているのでおそらく借家だと思います、なので担保になるものがなさそうですが、平気そうに借金していました。
1000万の借金は相当な信用が無いとできないので、大手企業の強みを見せつけられました。
福利厚生が手厚い
同じく大手企業だとより輝きますが、福利厚生が使えるのも利点です。
ホテルに安く宿泊できたり、食費や寮費が支給されたり、手厚い福利厚生を受けられると、お給料にプラスして付加価値が付きます。
ライン作業の地獄をうまく活用すると、かなり有意義な時間になる
私も過去にライン作業を経験していますが、ライン作業は、地獄と上手く付き合うとかなり有意義な時間になります。
たとえば、こんないい事がありました。
- 瞑想の代わりになる
- 考え事が捗る
- 体力がつく
詳しくお話します。
瞑想の代わりになる
大人になるにつれて、色んなことで頭を悩ませることがありますよね。
仕事、お金、恋愛、家族、趣味、将来などなど、頭がパニックになった時に、一旦瞑想を挟むと脳が活性化されて、いいアイディアや解決策が思い浮かぶことがあります。
考え事が捗る
ライン作業では手足以外はほぼ自由に使えるので、じっくり考え事をしたい時にとても有効です。
世の中の社長が考え事をするために散歩したりサウナに入ったりすると言いますが、ライン作業中は同じような効果を、仕事でお金をもらいながらできる強みがあります。
私も将来の事を考えていたら、「ブログをやろう」って答えに行きつきました。
将来的に一緒にものづくりをする仲間が増えればなと、自分の考えに賛同してくれる人と一緒に仕事をしたいなと思ってブログを始めました。
体力がつく
ライン作業は単純に、体力が付きます。
1日平気で2万歩以上歩くので、ふつうの人よりも相当足腰が鍛えられます。
さらにマスクをしていると呼吸も辛いので、肺のトレーニングにもなるんじゃないかなと思います。
現場作業をしている人は総じて筋肉がある気がしていて、筋肉のある人は健康的に見えるので、わざわざジムに行かなくても、仕事しながら身体が鍛えられるのは良い環境だなと思います。
ライン作業は確かに地獄に感じることが多いです。
しかし考え方を変えると、お金を貰いながら色んな効果も期待できるので、折り合いのつく地獄を許容して職場に入れば、有意義に仕事ができるようになります。
当ブログでは筆者がものづくりについて勉強しながら知ったことを記事にしています。
もしご意見、アドバイスなどありましたらお気軽に連絡をください。
将来の夢は、製造業のみんなが気軽に集う場所を作る事です。
それでは明日もものづくり、頑張りましょう!