責任の所在はどこ?同僚からのたらい回しを避けるための方法を紹介
困りごと:責任の所在が曖昧で、問題が解決できない。
先日こんなツイートをしました。
部署がわかれてると、責任の所在が曖昧になりますよね。
問題ひとつ打ち上げて2ヶ月毎週催促しても担当者すら決まらないとか弊社では絶対起こりえないんですが、そういう会社もあります。
— とも@技術を知らない機械系エンジニア (@Japan_MFG_Tomo) November 14, 2021
部署がわかれてると、責任の所在が曖昧になりますよね。
問題ひとつ打ち上げて2ヶ月毎週催促しても担当者すら決まらないとか弊社では絶対起こりえないんですが、そういう会社もあります。
責任の所在が訳わかんないのは、客先でもよく起きるトラブルです。
「こないだ問い合わせた件ですが」
「あ、その件は○○部の△△さんに聞いて」
「こないだ問い合わせた件ですが」
「なにそれ聞いてないよ、しかもその件は□□部の問題だし」
みたいな感じですね。あるあるですよね。
ツイートでは、「弊社ではありえない」と書いてるんですが、こういう「責任の所在がい曖昧」という問題は、たぶん当人の仕事の投げ方に問題があると思うんですよね。
私の前職でもそうだったし、当時からやり方を変えていないので、もしかしたら役に立つかも?と思い、記事にしてみました。
仕事の投げ方が得意じゃない人(まあ、うちの課長を想像していってるんですが)は、
最終的に自分で対処するしかなくなって、社内の決定もなされずに客先へ流出、後でまた同じ内容が浮かび上がって「どうしよう」って頭を抱えます。
今私は中国で働いているので、まあ「中国らしいよね」と微笑ましいですが、せっかく優秀な課長なので、何とかならんかなあ…とは思っています。
本記事の結論は、
本来の各部門の存在意義に照らし合わせて、あなたが責任部署を定義すればいい
です。
そのためには自分の組織についてとか、担当者の職務とか、きっちり調べないといけないですが、一度出来上がった組織って既にある程度最適化された役割分担があるはずなので、本来の存在意義を確認してみると答えを見つけやすいです。
現状、理由、やり方、あとは一般的な課題について細かく各章で話しているので、時間があったら、読んでみてください。
Twitter:(@Japan_MFG_Tomo)
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責任の所在が不明確で、誰が解決すべき問題か分からない
基本的に、人は仕事をやりたくありません。
なので「誰かやってくれる人~?」って探し方をすると責任者は決まりません。
まずは客先企業で実際にあったたらい回し案件について紹介します。
たらい回し事件って、大きい企業だと特になりがちですよね。例えば
- 関係しそうな部署が3つくらいある
- 部署の中にも担当者が3人くらいいる
- なんなら会社を跨ぐこともある
大企業の人は「あるあるだよね」、中小企業の人は「だからあんなに遅いのか」となると思います。
少し深掘りします。
関係しそうな部署が3つくらいある
大企業あるあるですが、
- ○○推進室
- ××開発部
- △△設計室
みたいな感じでとにかくいろんな部署が設計に、開発に、生産に関わっています。
しかも、開発当初からずっと同じ部署で同じ製品を面倒見てる人なんてほとんどいないので、誰も設計にかける思いや判断をリアルタイムで見てた人がいないなんて事もよくあります。
自分で設計したわけじゃないから責任感も無いし、言うときは言いっぱなしで、こちらがフィードバックすると雲隠れするのが上手なので、結局問題は何も解決できずに流れます。
部署の中にも担当者が3人くらいいる
さらに、各部署の中にも担当者が3人くらいいる事もあります。
過去に見た凄い会社では、
- 製品統括責任者
- 部品生産責任者
- リーダー
みたいな感じで、3人もリーダーっぽい人がいるんだけど、開発当時からのメンバーはゼロ。
その内一人も過去に打ち上げられた問題を把握してない、なんてこともあります。
「うちは客だからいう事を聞け」と圧をかけてくるんですが、
「その問題、過去も議論しましたが」と何度も言うのに疲れて、
最後は相手をするのをやめました。コミュニケーションコストが高すぎるので。
なんなら会社を跨ぐこともある
大企業では、さらに他の下請とも協業していて、そこに問題を任せっぱなしという事も多いので、こうなったら問題は解決できません。
さて、ここからは目線を自社内に移して話を進めます。
自分の会社で同じ問題が起きたらどうしたら良いんだろう?っていうヒントになると嬉しいです。
責任の所在は自分なのか、他部署なのか
自社内で責任の所在が不明確な事態が発生したらまず最初にやる事は、
「その問題の責任の所在が自分なのか他部署なのか」を確認する事です。
確認して欲しいのは二つあります。
- この問題は自分の責任範囲であるのかないのか?
- 社内で同じ問題を対応したケースがあるかないか?
もしどちらかがYESならこんな記事は必要なくて、
結局、最終的に行きつくのはこんな状況だと思います。
- 決して自分の責任部分ではない
- 初めてのケースで担当がない
- だけど自分が担当窓口になっている
こうなったら、誰かが解決してくれるのを待ってもうまくいかないので、自分で動いてみてください。
責任の所在が曖昧なときは、あなたが定義すればいい
やることは簡単です。
もし今起きている問題の責任の所在が曖昧であるならば、あなたが自分で責任者を定義すればOKです。
ただし、その場合にも前提条件があります。 それは、
- あなたが会社の各部門の存在意義を理解していること。
- 各部門に対して自分からアプローチをする方法があること。
この二つだけです。
とはいっても全然難しいことではなくて、
責任部署を決めるためには責任を負えるかどうかを判断する必要があるので、その各部門の存在意義を理解する必要があるよねっていうだけ。
もう一つ、アプローチする方法については、自分から直接っていうのが組織的に難しくても、上司を通してだったら可能なはずですよね。
そしてもし上司が動いてくれないのであれば、あなたはその責任を上司に全部丸投げしてしまえばOKです。
後はもう簡単です、担当さえ決まればみんな一生懸命に仕事をやってくれます。
担当さえ決めれば後は早い
私は日本人、中国人、台湾人と仕事をしたことがありますが、どこの人も共通していました。
仕事は基本的に自分に舞いこまないように差し戻しと雲隠れを駆使し、もし自分に決まったらそれはきちんとやり切る。
という共通点です。
担当と期日さえ決まれば程度はどうであれ何かしらアウトプットがあるので、そこからは微調整の繰り返しでゴールに進んでいけます。
担当決めすらも丸投げできる
もしかしたら、心配すべきところはここですかね?
もし「いやいや、俺がやるのはおかしいでしょ」と言われたとしても、負けないでください。
例えば会議で担当者を決めたとしましょう。
一旦担当者はその人に決まっているので「あなたは納期までにアウトプットをくれれば良いです。やり方は問いません」と言ってしまえば勝てます。
私は面倒くさがりなので、会議に参加してないけどそれっぽい人を担当者に抜擢して
「もし自分が担当者にふさわしくないと思うなら、期日までに連絡ください、そこまでがあなたの仕事です」といって押し付けていました。
あとは直接or電話で文句を言ってくる人には「ごめん、他の人に説明しなきゃいけないからメールで回答して」と突っ返すと、本当に担当者が間違っていれば全体あてにメールをしてくれるし、ただ面倒くさいだけなら自分でやってくれます。
ある程度筋が通っていれば戦えるので、後は関係者との仲の良さを作れるかどうかですかね。
あとは進捗確認だけで終わり
各部門でやる事が決まれば、後はもうやる事はありません。
進捗確認だけして、進捗が遅れているならどうやったら挽回できそうかを一緒に考えて完了です。
世の中責任の所在がグレーゾーンなものばかり
こういうと元も子もないですが、世の中は責任の所在がグレーゾーンなものばっかりです。
例えば近くの役所に行って色々と手続きをしようと思うと、その縦割り具合に驚くと思います。
縦割りって便利ですが、その境界線のあたりの内容は誰がするのかについてはよく揉めます。
たとえば
- 自社なのか取引先なのか
- 自部署なのか他部署なのか
ですよね。
社内でもうまく縦割りできないのに社外も入ってくるので、仕事は本当に大変だと思います。
だけど一つだけ知っておいてほしい事があります。
率先して引き受けると後悔するという事実です。
やっても感謝されないし、一度引き受けると前例ができるので、次からは当然あなたの仕事になります。
あなただけが迷惑を被るならまだ何とかなりますが、その部署の仕事になっちゃうと、部署の同僚からたくさん文句を言われる羽目になります。
良心から提案したはずなんですけどね。
そんな感じで、世の中はグレーゾーンばかりで、みんなめちゃくちゃな理由で人に押し付けたがるので、あなたが率先して仕切って、「自分はこれ、あなたはこれ」と役割を振っていくのがオススメです。
日本は特に、リーダーになりたがる人が少ないのでこの作戦は結構有効だろうなと思っています。
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