【技術士キーワード学習】Ⅲ:サーキュラーエコノミー
サーキュラーエコノミーの現状
例えば、廃家電製品のプラスチック部材は、リサイクル材を使用すると、バージン材に比べて70%程度のCO2排出を削減できる(バージン材と5回再利用の比較:1回あたり14%程度の削減効果)
アルミニウムの製錬の際に、バージン材では火力由来の電力を大量に消費するため、CO2排出が多い。
一方、リサイクル材を利用する場合、CO2排出を9割削減でき、さらにコストも安い。
参考:ヤマハ発が2輪車部品の再生アルミ活用で先行、コストと性能のバランス見極め | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
再生材のデメリット
繰り返しの高温に晒されるため、品質が劣化する原因となる。
- もろくなる
- 割れやすくなる
数量が限定される
- 副産物であるため、欲しいだけ発注・必要な時だけ発注ができない
- 相場が変化しやすい
純度が変化する
- プラスチック製品の場合は、着色されたものは透明に戻せない
- 最終的には黒に着色し、目立たない部分でのみ使用される(用途が限定される)
- 回収の過程で異物が混入し、再生材の純度が下がる
サーキュラーエコノミーの問題点と課題
トレサビ
サーキュラーエコノミーの中で再生された材料は、熱処理の回数が増えるため、熱による性能劣化のため、予想と比べて強度が不足したり、耐久性が不足する可能性がある。
したがって履歴管理の観点から、再利用した履歴を管理し、製品の材料が何回目のリサイクルによって作られているのかを把握できるようにすることが課題である。
品質
回収と再利用を繰り返す過程で、ホコリや不純物が堆積し、再生材の純度が低下することが考えられる。
したがって品質の観点から、再生材の純度を確保し品質を保証するために、不純物を取り除く技術の開発が課題である。
量の確保
再生材は、バージン材とは異なり、回収の工程が必要となる。
したがって回収材の確保が追い付かない場合、生産量を確保することが困難となる可能性がある。
したがって量産の観点から、年間の回収量や生産量を精度よく予測することが課題となる。
最重要課題
純度を高める技術の開発が最重要課題と考える。
理由:持続可能な材料とするためには、無制限に循環利用できることが必要であるから。