【技術士キーワード学習】Ⅰ:我が国の特徴と人類が抱える問題
我が国の特徴
我が国の特徴として、以下のようなものがある。
エネルギー資源に乏しい
我が国では、石油・石炭・天然ガスなどのエネルギー資源を輸入に依存しており、自給率は2010年に20%あったが、福島原発の事故により原発の稼働が停止し、2020年では11%となっている。
(参考:whitepaper2023_all.pdf (meti.go.jp))
人口が急激に高齢化を迎えている
- 我が国の総人口は、2019年で1億2617万人
- 総人口に占める65歳以上の割合は4%
- 2065年には、6人に1人が65歳以上になると推計されている。
- 2045年以降、高齢者の総数は減少するが、総人口が減るため高齢化率が高くなる
科学立国
我が国では、青色発光ダイオードの発明、iPS細胞による再生医療など、世界に誇れる科学技術が存在する。
現在でも、自動車やロボット等の分野で我が国は存在感を残し続けている。
一方で近年、研究力を測る主要な指標である論文提出では、国際的な地位が低下している。
- 1997-1999年の平均:アメリカに次いで世界第二位
- 2017-2019年の平均:第四位まで低下。
- 注目度の高い論文数についても、世界第四位から世界第十位まで低下している。
人類の将来に立ちはだかる諸問題
環境問題
- 地球温暖化
- 海洋汚染
- 大気汚染
- 森林破壊
等がある。
地球温暖化は温室効果ガスにより進行する。2030年には2013年度比CO2換算で46%削減を目標としている。
海洋汚染は、プラスチックごみ、船の事故による石油の流出、工場排水や生活排水による汚染がある。これらにより、海の生態系に悪影響を及ぼすことが問題である。
大気汚染は、自動車や工場から排出されるガス等により発生する。例えばNOxは、燃焼時の温度が高くなった時に窒素と酸素が反応して発生し、これが雨に溶けると酸性雨となり、森林や農作物を枯れさせるなどの悪影響がある。
森林破壊は、バイオ燃料の生成、森林の農地化等により森林を伐採することで進行する。
これによりCO2を吸収する樹木が減少して温暖化が進行することや、森林が持つ保水機能を奪うため大雨などによる地滑り、土砂崩れなどの二次災害が起こりやすくなることが問題である。
また、森林に生息する生態系の破壊にもつながる。
食料・エネルギー問題
我が国はエネルギー自給率が低く、石油や天然ガス等エネルギー資源を輸入に頼っている。
2022年のロシアのウクライナ侵攻では、エネルギーをロシアに依存していたドイツなどの国があったため、国際的な足並みを揃えることに苦戦した。
このように、エネルギーを他国に依存することで自国の経済や生活の安全を脅かされるリスクが発生する。
伝染病問題
地球温暖化に伴って、伝染病のリスクが上昇すると言われている。