【技術士キーワード学習】Ⅲ:工程能力
工程能力について
工程能力指数には、CpとCpkがある。それぞれの計算式は以下のようになっている
- Cp=(規格上限-規格下限)/(6x標準偏差)
- Cpk=(規格上限-平均値)/(3x標準偏差),(平均値-規格下限)/(3x標準偏差)のうち小さいほう
したがって、工程能力に影響を及ぼす因子は以下のようなものがある。
- 平均値
- 規格上限
- 規格下限
- 標準偏差
例えば機械加工の工程において、これらに影響を及ぼす、現実の事象としては以下のようなものがある。
- 工具の摩耗状態
- 室温や切削油温度
- 材料のロットやチャージ
- 管理規格値の設定
- 加工物の取り付け誤差
等が存在する。多くは4M1Eに関係する。
特に工具の摩耗状態は他の要素の影響を受ける。
例えば、材料のロットや、切削油の温度等により
工具に掛かる負荷が変化する。
これにより工具摩耗の程度がばらつきやすいため、工具の摩耗補正によって対策する。
加工物の寸法は工具の摩耗により系統変化し、補正によって基準値に近づく。
これにより、実際のばらつきに加えて調整分だけ数値が変化するため、標準偏差が大きくなる。
工程能力に関連する指標のまとめ
参考:正規工程能力シックスパックの主要な結果を解釈する – Minitab
Cpk(工程能力指数)
安定状態における、工程のばらつき度合いを評価する指標である。(潜在的な工程能力)
標準偏差は、安定状態のサンプルから計算される。
Ppk(工程性能指数)
特殊要因も含めた工程のばらつき度合いを評価する指標である。(工程の実力)
標準偏差には、全ての状態を含んで計算する。
Cmk(機械能力指数)
4Mのうち、設備と測定器のみを評価対象として工程のばらつき度合いを評価する指標である。
したがって、変化点の無い連続したサンプルから計算する。