【技術士キーワード学習】Ⅰ:R1-1-1すり合わせから組み合わせへの工法転換

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問題文の整理

労働人口が減少するが、技術的な国際競争力を高めていく必要がある。
機械製品の競争力向上のためには、高い性能、多くの機能、ユーザの使用条件に合った製品、仕様の多様化への対応が必要。

→要求仕様に対して開発。過剰品質が全て良しではない。インドでEVを売っても電気が無い。

製品仕様の多様化への対応策の一つに、組み合わせ手法への転換がある。

 

課題と問題点(課題を遂行すべき解決項目)

模倣の防止

すり合わせから組み合わせへの工法転換を行う方法のひとつとして、使用部品の購入品化がある。
購入品への転換をする場合、競合メーカも同じ部品を入手することが可能となるため、製品の模倣がしやすくなる。

したがって独自性の観点から、競争力を維持するために、部品の模倣を防止できるように購入品と製作品を組み合わせた設計を行うことが課題である。

 

開発スピードの向上

すり合わせ手法では、部品一点当たりの精度を向上することで、製品全体としての品質を確保していたが、デメリットとして設計工数が長くなることがある。

したがって時間の観点から、組み合わせ手法への転換を通して、開発スピードを向上することが課題である。

 

品質保証の方法

組み合わせ手法では、製品全体の品質は構成するモジュールの品質に依存する。
これにより、製品としての機能に不具合が発生したときに、責任がメーカではなくサプライヤに直接求められる可能性がある。

品質保証の観点から、モジュール部品を製造するサプライヤの品質を向上するための教育が課題である。

 

現状技術と応用分野・解決策

近年では、ものづくりからコトづくり等、サプライヤは製品を通して得られる体験に価値を感じることが増えている。
したがって、多様化するユーザニーズに素早く応えることが必要と判断し、「開発スピードの向上」を最重要課題と考える。

 

解決方法

デジタルエンジニアリングの推進

3DCADモデルを起点とした設計を行う、デジタルエンジニアリングを推進する。
各部門が共通のインプット情報を参照して開発を行い、CAMと連携した工程設計やデジタルツイン技術を活用したライン設計に活用する。

 

コンカレントエンジニアリングによるフロントローディング化

各部門が同時並行で検討業務を行う。工程設計や品質保証、作業時の懸念点などを事前に打ち上げ、設計の初期段階で解消する、フロントローディング化を行い、開発の後期工程での手戻りを削減する。

 

部品の共通化

機能別に部品モジュールを設計し、そのモジュールを組み合わせた製品設計を行うことで、開発工数や製造工程の設計工数を短縮する。

また、部品が共通化されることで使用用途が広がるため、在庫を持って対応することができる。デカップリングポイントを完成品に近い所に置くことで、製造リードタイムを短縮する。

 

解決策による成果

設計開発、製造のリードタイムを短縮することで、多様なニーズに対して素早く開発業務を進め、ユーザのニーズを満足することができる。

 

解決策による懸念事項

組み合わせ手法によって設計が簡略化されることで、すり合わせ設計による、部品の詳細な品質改善の機会が減少する。
これにより若手技術者が詳細設計する力を磨く機会が減るため、新規開発時にリードタイムが長くなることが懸念される。

 

懸念事項の対策

実務による組み合わせ設計とは別に、教育訓練の機会としての製品改善を実施する。
若手技術者とベテラン技術者がペアとなり注意点や工夫点を議論することで、技術を向上させる。

 

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