標準化について【技術士キーワード学習】
標準化について
参考:Microsoft PowerPoint – A_標準化の概要(R30201修正版).pptx (meti.go.jp)
標準化とは
標準とは、「もの」や「事柄」の単純化、秩序化、試験・評価方法の統一化により、製品やサービスの互換性・品質・性能・安全性の確保、利便性を向上するものである。
また、標準化は一定のメンバーの合意を経て規格を制定し、当該規格を普及する事である。
標準化の種類
デジュール標準
標準化機関における合意を経て制定される公的な標準で、加盟国で適用され、一定の権威があるもの。例としてISO、JISなどがある。
フォーラム標準
特定分野の標準化に関心がある企業・専門家軍の合意で制定される標準であり、加盟企業内で適用され、標準化までのスピードが速いのが特徴である。例としてIEEEやDVDフォーラムがある。
デファクト標準
特定企業の製品・サービスが世界中に普及する事で生まれる事実上の標準である。合意プロセスが不要で、競争に勝ち残ると結果的に標準化される。例としてオフィスソフトやOSとしてのWindowsや、Google検索がある。
標準化のメリット
市場の創造・拡大
標準化によって一定水準の製品やサービスを提供する事業者が増え、当該市場が拡大する可能性がある。
市場の安定
標準化によって粗悪品や類似商品の排除、製品やサービスの質の保証が実現される可能性がある。
競争領域の限定
標準化された領域では差別化が難しくなり、非標準領域にリソースを重点配分できる可能性がある。
標準化のデメリット
参入障壁の低下
標準化が行われるとその領域では技術がオープン化され、他社の参入が容易になる可能性がある。
価格の低下
技術がコモディティ化され、競争により価格が低下する可能性がある。
非標準製品・サービスの排除
標準に外れた製品・サービスを提供するとユーザビリティが低下するため、非標準の製品やサービスの提供が困難になる可能性がある。
標準化の、求められる姿
機械工業の分野では大量生産によって品質を安定させ、価格を低下させることが一般的であるため、標準化の取組がQCDの確保のために重要となっている。
標準化についての問題点と課題
多面的な観点から、標準化の問題点3つ
製造現場を想定し、標準化によってQCDを確保する際の問題点を記述する。
作業の標準化
現場の生産性の観点から、作業者の手の動きや動線を含めて、生産にかかわる動作を標準化することで、誰がいつ作業を行っても同一の品質水準で同等の数量を生産できるようにすることが必要である。これによって生産計画を立てやすくし、人員の配置を行いやすくする。
工程設計の標準化
設計リードタイムの観点から、類似の製品は同様の設備を流用する事で新規の設備の準備を減らし、工程設計にかかる分析項目、設計の手順を標準化することで、検討から試作、量産までのリードタイムを短縮することが必要である。
異常処置手順の標準化
生産の安定性の観点から、生産中に起こる異常に対して、点検項目や問題への対処方法を標準化する事で異常処置にかかる時間を短縮する事や異常処置の効果を一定化させることが必要である。これにより、異常が発生しても都度熟練の職人の判断を仰ぐ必要性を低減し、技術伝承の機会とする。