人工知能を応用した製品について【技術士キーワード学習】

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人工知能を応用した製品について

人工知能を応用した製品の背景

人工知能を中心とするICTの進化は、これまでのICT化で起こってきた定型的業務のみを代替するものとは違い、非定型的な知的業務や複雑な手仕事業務においても代替が進むものとみられている。

参考:n4200000.pdf (soumu.go.jp)

 

現在では、囲碁や将棋で人間に勝利したり、音声認識によってスマートフォンや家電などを操作したりといったレベルまで進化している。

本論文では、製造工場における工程を想定し、人工知能を搭載した設備の有効活用について記述する。

 

人工知能を応用した製品についての問題点と課題

製造現場では、高齢になった熟練者の引退によって技術の消失が問題となっている。そこで、人工知能を搭載した生産支援によって、熟練者のスキルを保存する事を考える。

 

多面的な観点から、人工知能の問題点3つ

音、振動など感覚の再現

人の持つ感覚の観点から、人工知能を用いて、今までは経験豊富な熟練者だけが感じ取れていた音や振動などの微妙な感覚を再現する。これによって機械の故障や部品の摩耗など、異常の兆候を察知して、事前のメンテナンスに活用する。

 

加工条件へのフィードバック

熟練の技術の観点から、従来の工作機械では、熟練者の経験と勘によって、手動で送りや回転数、切り込み量などを調整していたが、NC機では標準化を前提に加工条件の均一化が進んだ。昨今では材料費の高騰やエネルギー費の高騰もあり、臨機応変な加工条件の調整が有効である。そこで、人工知能を活用して、熟練者の感覚を加工条件へフィードバックし、品質を保ちながら生産性の向上や消耗品の寿命の延長を行う。

 

判断の代替

検査基準の観点から、外観目視検査の工程では、人の目と経験によって良品と不良品の判別を行っている。新人の検査員は都度上長等に確認し、判断結果の良否をフィードバックしてもらう事で検査能力を向上させている。この工程に人工知能を導入する事によって判断の閾値を設定し、システム的に品質を判定する事で作業効率の向上や作業の省人化を行う。

 

最重要課題

外観検査工程では加工工程とは異なり、現在でも人の目による検査が多く行われており、検査品質が作業者の能力に多く依存する事から、「判断の代替」を最重要課題と考える。

 

最重要課題の解決方法

カメラによる画像認識を行い、人工知能によって良品と不良品を判別する自動外観検査装置を使用する。

 

良品と不良品に関する定義の学習

良品と不良品の違いを人工知能が判別できるように、それぞれのサンプルを人工知能に学習させる。寸法などで判断が可能な場合は外観に加えて数値データを学習させて、検出精度を向上させる。

 

検査ステーションへの自動運搬

検査のスピードを向上させるために、人工知能付きの検査設備を複数台用意し、それぞれ自動搬送機を搭載する事で、一人の作業者の検査可能数を増加させる。人は検査装置の入口と出口で運搬作業と、検査不良で跳ねた製品の確認を行う。

 

過検出の再検査と人工知能へのフィードバック

自動検査装置を使用する場合、初期段階では安全率を考慮して過検出気味に閾値をセットする事が多い。検査にて不良と判定された製品を再度詳細に検査し、過検出だと判断した場合は人工知能へフィードバックする事で、閾値を調整して判断能力を向上させる。

 

解決策による波及効果と懸念事項

解決策による波及効果

人工知能を搭載した検査装置では、処理能力を向上させるために増大した場合でも、人工知能をコピーするだけで搭載できるため、教育にかかる時間を大幅に短縮、検査能力の標準化をすることができる。

また、検査装置を自動化する事で24時間休まず検査作業を行うことができるため、夜間や休日の稼働を検討する事ができる。

 

解決策により新たに生じる懸念事項

人工知能を搭載した自動検査装置を使用する場合、カメラと人工知能と検査台など、導入には多くのコストを必要とする。

 

懸念事項の対策

現在我が国では、産業用ロボットの導入補助金や、AI導入に関しての融資枠が各組織から設定されており、一部のコストを低減できる。

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