CADデータについて【技術士キーワード学習】

 

CADデータについて

CADデータとは

CADは(Computer Aided Design)の略で、日本語ではコンピュータ支援設計と訳される設計作業の支援ツールである。

 

JIS B 3401では、

製品の形状，その他の属性データからなるモデルを，コンピュータの内部に作成し解析・処理することによって進める設計。

JISB3401:1993 ＣＡＤ用語 (kikakurui.com)

と定義している。

 

CADの用途

CAD自体はコンピュータを使用して設計・製図を行うシステムであり、図面やモデルを編集可能なデジタルデータとして保管することができる。

 

現在では3DCADが普及しており、これによって作成されたモデルを使用して

等が行われており、コンカレントエンジニアリングのツールとして使用されている。

 

3DCADデータのモデル形式

サーフェスモデル

厚みを持たない面で構成される、体積を持たない立体モデルのことである。表面のみの情報しか持たず、中身の情報が無いため、体積・質量の計算や干渉チェックが行えない代わりに、計算量が少なく、デザインの検討に使うのに向いている特徴がある。

 

ソリッドモデル

頂点・線分・面で構成される、体積や中身の情報を持った立体モデルである。体積・質量の計算や干渉チェックが可能だが、データサイズが大きくなり計算に時間が掛かるデメリットがある。

パソコンの高性能化により演算能力が向上したことから、近年ではほとんどの３DCADがソリッドモデルの作成に対応している。積層造形においてもソリッドモデルの作成が必須である。

 

3DCADのファイル共有について

 

異なるCADシステム間でデータを交換する時には、ソフト同士の互換性の問題から中間ファイルを用いて交換することがある。

拡張子の例として、以下の3つの拡張子を挙げる。

 

STEP

ISOによって定められたデータ形式。データの変換精度が高く、ソリッドデータのやり取りに向いている。

 

IGES

ANSIによって定められたデータ形式。3Dモデルの図形データを特殊な文字列に変換することで受け渡しを可能にする。サーフェスデータのやり取りによく使用される。

 

STL

細かい三角形などのメッシュモデルに変換して表現する。積層造形でデータをプリンタに送る際に使用されることが多い。

 

中間ファイルを用いるメリット

 

中間ファイルを用いるデメリット