デカップリングポイントとは【技術士キーワード学習】
デカップリングポイントについて
デカップリングポイントとは
製造業におけるデカップリングポイントとは、見込み生産と受注生産の境目の在庫のことを表す。
工程によって生産形態を変える場合、どこかの中間品までを見込み生産、それ以降を受注生産とするが、その境目となる場所をデカップリングポイントという。
デカップリングポイントのメリット
デカップリングポイントのメリットとして、以下の3点を挙げる
受注から納品までのリードタイム短縮
デカップリングポイント以前の工程では在庫を持っているため、注文を受けてからのリードタイムがデカップリングポイント以降だけでよくなり、受注後全工程を行う場合に比べてリードタイムを短縮することができる。
素形材メーカでは、鋼材の納期が3か月、生産リードタイムが1週間程度のように、納入待ちの時間がネック工程となるが、例えば鋼材を在庫として持ち、受注後生産を開始すればリードタイムが1週間程度となり、仕上げ工程前で中間在庫を持ち、受注後仕上げ工程を行えばさらに短縮できるなど、デカップリングポイントによって生産リードタイムを調整することができる。
まとめ生産による生産効率の向上
デカップリングポイントより前の工程において計画的な生産を行うことで、一個流しに比べて生産の効率を向上することができる。
在庫リスクの低減
完成品で在庫を持つ場合、受注よりも多くの生産を行うと長期在庫により品質低下のリスクが発生する。一般的に、上流の工程に行くほど共通性が高くなるため、上流側で在庫を持つことで長期在庫のリスクを軽減することができる。
デカップリングポイントの決め方
リードタイムからデカップリングポイントを決定する
デカップリングポイント以降の製造リードタイムを、客先希望の納期や競合他社の納期よりも短くなるように設定する。
製品の共通性からデカップリングポイントを決定する
製品の共通性から、品種の種類が枝分かれする前後をデカップリングポイントとして設定する。