【技術士キーワード学習】Ⅰ:テレワーク
保全技術者の仕事
事後保全、予防保全などの設備の保全を行う。
設備の安定稼働を目的として、以上により稼働が停止するのを防いでいる。
事後保全
設備が故障してから行う保全行為のことである。
故障した部品の入れ替えなどの作業を行う。
- メリットは設備を寿命まで使い切れること
- デメリットは保全作業中に稼働が停止すること
予防保全
設備が故障しないように、事前に保全する。
- メリットは設備が停止しづらい事、事前に計画を立てて行うことができること
- デメリットは設備を寿命まで使い切れないので、ロスが発生すること
予知保全
設備異常の兆候をつかみ、保全行為を行うことである。
設備の異常の前には、振動や音、臭いなどの兆候があるため、その兆候を検知して保全行為を行う。
- メリットは予防保全と同じように、故障による設備停止が起こりづらいこと
- デメリットは、いつ兆候が起こるかわからないこと
保全技術者のテレワークの問題点と課題
現場現物の再現
三現主義のメリットは、五感に伝わる情報をダイレクトに感じ取ることができる点である。
したがって、テレワークの際に、これらの情報を再現できることが必要である。
情報の観点から、現場現物で得られる情報をテレワーク先に伝達し、現場現物を再現することが課題である。
保全作業の遠隔指示
保全作業を実施する場合、保全技術者が現場にいて、現物を見ながら作業を行うことが多い。この際の、身振り手振りや、現物を指さしながらの指示を、テレワークの環境でも再現することが必要である。
したがってコミュニケーションの観点から、保全作業の指示を遠隔で行えるようにすることが課題である。
カンコツの伝承
テレワーク先では、得られる情報、伝えられる情報が制限され、情報が不足する中で迅速に判断を下し、作業を進める必要がある。
したがって標準化の観点から、監督者と現場の作業者が同じ背景知識の元に情報共有できるように、経験により得られるカンコツを伝承することが課題である。
課題の解決策
現場現物の再現
- センサによる振動等の情報の収集
- IoTによる遠隔モニタ
- 異常の定義と解決方法のマニュアル化
保全作業の遠隔指示
- Web会議ツールの利用
- ARゴーグルによる視点の共有
- VRによる作業指導
カンコツの伝承
- カメラやモーションキャプチャを利用した動作のデータ化
- センサによる力や速度の数値化
- 動画やVRを用いた技術指導
解決策による効果
保全技術者がテレワーク出来るようになる
波及効果
技術指導が遠隔でも行えるようになるので、マンツーマンに近い教育を、距離を超えて行えるようになる。したがって海外や国内の遠方に対しても技術伝承が可能になる。
懸念事項と対策
ゴーグルは視点を奪うため、足元や周囲が見づらくなるため、安全に気を付ける。