【技術士キーワード学習】Ⅰ:自動車の歴史
現代社会に貢献している機械やシステムの代表例
代表例として、自動車を取り上げる。
自動車の歴史
参考記事:自動車誕生から今日までの自動車史(前編) | トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO
1769年(日本では江戸時代)に自動車が誕生した。当時の動力は馬車または蒸気を使っていた。
その後ワットが新しい方式の蒸気機関を開発することで技術が向上し、蒸気機関の自動車が馬車にとって代わるようになった。
1885年ごろ(日本の明治時代)にガソリン自動車が誕生した。
ドイツ人のダイムラーやベンツが4ストロークエンジンを開発し、ガソリンエンジン自動車を販売した。
その後、エンジンの後方にクラッチ、トランスミッションを配置し、デフ機構を介して後輪を駆動させるFR方式を考案、現代に繋がる。
自動車の駆動方式
参考記事:FF・FR・MR・RR・4WDなどクルマ好きがこだわる駆動方式によるメリット・デメリットとは | 自動車情報・ニュース WEB CARTOP
FR方式
- フロントエンジン、リアドライブ
- 前輪に駆動力がかかっていないため、操舵性が良い
- 前輪が操舵、後輪が駆動と役割が分かれている
- デザイン性の良い車を作りやすい
- トランスミッション、デファレンシャルが別になり、後輪に動力を伝えるプロペラシャフトが必要なため、部品点数が増えて生産性が悪い
- 荷物入れが狭くなる
FF方式
- フロントエンジン、フロントドライブ
- 世界中の車の駆動方式の主流
- トランスミッションとデファレンシャルが一体(トランスアクスル)になり、生産性が高く、コストが低い
- 小型車でもラゲッジスペースを広くとれる
- 前から引っ張る駆動方式のため、直進安定性に優れる
- 太いタイヤを吐いていると、タイヤの切れ角が確保できず、小回りが利かない
RR方式
- リアエンジン、リアドライブ
- エンジン、トランスミッションなどのパワートレーンをまとめられるため、スペース効率に優れる。
- リアが重いため、MR以上に加減速に強い
- 曲がるときのコントロールが難しい
MR方式
- ミッドエンジン、リアドライブ
- 加減速に強い
- 直進安定性を確保しにくい
- エンジンの位置の関係で、2人乗りまたは狭い4人乗りになる
- レーシングカー向け、一般的なメリットは薄い
4WD方式
- 安定性が高い
- 四輪分のドライブシャフトやデファレンシャルが必要になることや、前後の回転さを吸収する部品が必要になるため、コストや重量が増える。
- リセールバリューが高い
自動車の量産化、普及(1900年~)
参考記事:自動車誕生から今日までの自動車史(前編) | トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO
フランスのド・ディオン・ブートンが、15か月で1500台のガソリン自動車を量産、販売。
自動車の大衆化の象徴は、T型フォード。
フォードモーターは「大衆のために車を作る」ことを志して、T型フォードを開発。
初年度に1万台製造
1913年には史上初のコンベアラインが完成し、1日に1000台の生産が可能になった。
日本の車
- 1932年にダットサン商会(日産自動車の前身)が設立
- 1933年に豊田自動織機製作所自動車部(トヨタ自動車の前身)が設立
過去に自動車の国産化に尽力していた快進社と白楊社は、GMとフォードのノックダウン生産(製造国が主要部品を輸出し、現地で生産する)により寡占され、解散することになった。
- 白揚社の主要メンバーは豊田自動織機自動車部に入社
- 快進社はダットサン商会に引き継がれる
長い歴史の中で、今の形状になった理由
昔はタイヤサイズが前輪後輪で違った
前後輪でタイヤサイズが違うパターンとして
- 幅が違う(前が細くて後ろが広い)
- 直径が違う
の2パターンがある。
タイヤの幅が違う理由
グリップ力向上のため。
前輪は細く、後輪が太い理由は、操舵のため。
自動車が左右に曲がるとき、前輪の向きが変わるが、この時にタイヤがボディやサスペンションに干渉しないようにするためには、前輪を細くする必要がある。
タイヤの直径が違う理由
タイヤにかかる負担のバランスを取るため
重たいエンジンを搭載する車や、エンジンのパワーが大きい車はリアタイヤにかかる負担が大きい。
解決策として、リアタイヤをサイズアップすることで前後のバランスを取る。
前輪はステアリング感覚やワンダリング(平坦なはずの道でふらつく)、乗り心地、コストの面で細いタイヤの方が有利。
さらに、前輪のタイヤを大きくするとオーバースペックになるので、バランスを取って、後ろだけ大きくする。
昔の車の駆動方式は?
FF車が技術的に難しく、メリットよりもデメリットが上回っていた。
FR車はエンジン出力を駆動輪に伝えるプロペラシャフトがキャビンの中心をとおるので、居住性にマイナス
そこで、大衆車の合理的なレイアウトとしてRRが主流だったこともある。
代表例がVW社のビートル
3輪ではなく、4輪が採用された
三輪自動車は、前に1輪、後ろに2輪を搭載した自動車。
小回りが利きやすいメリットがあり、一時的に普及した。
三輪自動車のデメリットは、高速走行時に安定性が急激に低下すること、クッションとなるタイヤが少ないので路面からの振動が直接伝わりやすいことなどがある。