【技術士キーワード学習】Ⅰ:部門横断のGHG削減
地球温暖化問題への対応に関する国際的動向
2016年に採択されたパリ協定では、全体の目標として
- 世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して2℃より低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
- 早急に世界のGHG排出量をピークアウトし、21世紀後半にはGHG排出量と森林等による吸収量のバランスを取る
ことが挙げられている。
全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(https://www.jccca.org/)より
各国、2030年度目標の基準年度は異なるが、先進国では共通して、2050年までのカーボンニュートラルを宣言している。
日本を含め多くの国ではほぼ横ばいで推移しているのに対し、新興国の一部ではCO2排出量が大幅に上昇している。
- 中国(青色)は1990年比で+356%で上昇傾向
- インド(紫)は1990年比で+335%で上昇傾向
- ブラジル(緑)は1990年比で+120%だが、近年は低下傾向
我が国のCO2排出量増加はで1990年比で+3%であり、ほぼ横ばい。
2030年度までに対2013年度比でCO2排出を46%削減することを宣言している。
現状の技術動向
- 徹底した省エネルギー
- 再エネの最大限導入
- エネルギーシフト
- 政府の率先実行
- 庁舎のLED化
- 国民運動(COOL CHOICEなど)の強化
- 危機管理意識浸透のための啓蒙
- 小売店と連携した省エネ家電への買い替え促進
- LED普及キャンペーン
- 高効率給湯器
- 節水型トイレ
- 高断熱高気密住宅の新築およびリフォーム
- エコカー販売促進
- 公共交通機関の利用促進
- カーシェアリング
- 低炭素物流サービス
GHG削減に向けた解決策
徹底した省エネルギー
高度化法
エネルギー事業者に対して、太陽光や風力などの再エネ、原子力等の非化石エネルギー源の利用や化石エネルギー原料の有効な利用を促進するために必要な措置を講じる法律
省エネ法
一定規模以上の事業者に対して、エネルギー使用状況等について定期的に報告を求め、省エネや非化石転換などに関する見直しや策定を実行させる法律
トップランナー制度
現在商品化されていて、かつその中でエネルギー消費効率が最も優れているものの性能、技術開発の将来の見通しを勘案して定め、機器等のエネルギー消費効率の改善を推進するための精度
ポンプ・ファンのインバータ化
バルブを全開にし、需要に合わせた回転数に制御することでモータの負荷低減
再エネの導入拡大
太陽光
シリコン系パネルの発電効率は29%が理論上最大値、ペロブスカイト太陽電池は22%だが、研究中であること、曲面にも設置できることから、発電量は増える見込み。
旭硝子が窓に取り付けられる太陽電池を販売。
水力
流れ込み式水力発電、中小水力発電
風力
洋上水力発電
エネルギーシフト
- ヒートポンプ…高温熱源をボイラからヒートポンプへ置き換えることで、エネルギー削減、CO2排出削減
- コージェネ…発電時に発生する熱を利用して冷暖房に利用するシステム
- 燃料電池…水の電気分解の逆の反応によって、発電時に水と熱のみを発生させる。CO2フリー
- 加熱の電化…赤外線ヒータ、誘導加熱