【技術士キーワード学習】Ⅰ:エネルギー供給側のGHG削減

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https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/attached/attach_1544_1.pdf

 

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https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/attached/attach_1544_1.pdf

 

H21年(2009年)と現在では状況が大きく異なるため、内容を現在に合わせて記述する。

 

エネルギー供給側のGHG排出の現状

https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2022/html/2-1-1.html

 

  • 化石エネルギーの割合が84%程度(2020年度)
  • エネルギー需要の総量が2005年前後をピークに減少傾向
  • 原子力発電は、2011年をきっかけに大幅に減少(現在は一部で再稼働が進む)

 

エネルギー供給側のGHG排出削減に関する問題点と課題

火力発電効率の向上

https://www.greenpeace.org/japan/explore/climate

 

我が国では、2011年の福島原発の事故以来、原子力発電の比率が急激に低下しており、その代替として火力発電の割合を増やして対応している。
また、我が国のCO2排出の割合として、発電等に使われる割合が高い。
これは、我が国の電力は火力発電により得られるものが多く、化石燃料の燃焼によりCO2を排出するためである。

したがって、効率の観点から、発電により排出されるCO2を低減するために、火力発電の発電効率を向上することが課題である。

 

エネルギーシフトによる非化石化

https://www.rite.or.jp/system/learn-energy/energy-use/

 

化石燃料はガスや液体燃料などの燃料を作り、広い用途で使用することができる一方、再エネや原子力などの脱炭素エネルギーは、電気としての用途でのみ使用する。

 

したがって、エネルギーの脱炭素化の観点から、脱炭素エネルギーの利用を拡大するために、エネルギーを転換することが課題である。

 

CO2の回収

我が国では、国土の面積や発電効率の関係から、火力発電から脱却することが困難である。したがって、火力発電によるCO2排出をトータルでゼロにする必要がある。

 

したがって、ネガティブエミッションの観点から、火力発電によって発生したCO2を回収し、大気中への放出を防ぐ技術の拡大が課題である。

課題の解決策

火力発電効率の向上

水素の混焼、専焼

https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/suiso_nenryo/pdf/027_01_00.pdf

 

2018年のNEDOの実証実験において、水素専焼のガスタービンによる発電を達成。神戸ポートアイランド

https://www.erex.co.jp/news/pressrelease/1979/

 

 

2022年4月イーレックス株式会社にて、山梨県富士吉田市にて水素専焼発電の実証運転開始。

https://jpnh2ydro.com/press/187.html

 

ジャパンハイドロにて、2022年より水素発電機のレンタル、販売。
スーパー耐久シリーズのイベント広場によって一部ブースへ給電の実施。

既に実用化が始まっている。

 

アンモニアの混焼、専焼

 

アンモニアは水素のエネルギーキャリアとしての用途として位置づけ。
肥料の原料など、既にアンモニア輸送のインフラがある。
直接燃焼による発電も開発テーマとなっている。

  • 2014年、メタンに20%のアンモニアを混ぜた燃料で発電に成功
  • 2014年、灯油70%にアンモニア30%の条件で燃焼、発電に成功
  • 2015年、メタンとアンモニアの混合気体、アンモニア専焼での発電に成功
  • 近年では、石炭火力にアンモニア20%混焼によって発電に成功。

参考:アンモニアを燃やして発電|環境エネルギー|事業成果|国立研究開発法人 科学技術振興機構 (jst.go.jp)

https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/html/3-8-4.html

 

 

発電コストは水素よりも安いと試算されている。
2030年までにアンモニア専焼技術開発の見込み。

 

ガスエンジンの台数制御

https://www.yanmar.com/jp/energy/normal_generator/cp/about/strength.html

電力需要に合わせてガスエンジンを複数台起動する。

これにより、大型のエンジンの出力を調整するよりも発電効率が良くなる。

 

エネルギーシフトによる非化石化

自動車のZEV化

自動車を従来のガソリン車、ディーゼル車から転換する。

  • 水素自動車(水素エンジン車、燃料電池車)
  • 合成燃料車
  • オプションでHV化、PHV化
  • 電気自動車
  • 非化石電力の使用
  • 余剰電力により水素を生成
  • CCU技術と組み合わせて合成メタンの生成

といった使い道がある。

 

オール電化の推進

家庭では、ガスを電化する。
給湯、調理用ガスコンロ、暖房器具を電化し、電力を非化石由来の物にすることで、CN達成。

 

加熱工程の電化

産業部門では、加熱工程を誘導加熱や赤外線加熱にすることで、燃料の燃焼から転換する。
電力を非化石由来にすることで、CN達成。

 

CO2の回収

地中への固定

CCSという。

地下数千メートルに圧縮して超臨界状態になったCO2を送り込む。
砂や火山灰などが堆積してできた地層の、粒の隙間にCO2をしみこませる。
そのままでは地上に向かって漏れ出す恐れがあるため、貯留層よりも地上側に、泥などからなる遮蔽層が必要。

これにより蓋をして、CO2を地中に固定する。

日本近海では、CO2を1400億トン分貯留できると推測されている。

 

参考:「二酸化炭素を地下に埋める」注目の技術“CCS”が抱える期待と課題【脱炭素とはなにか5】 | Business Insider Japan

 

製品への固定

CO2をセメントやコンクリートに固定し、建設業界の中で使用する。
人工光合成により、オレフィン(基幹化学品:プラスチックなどに使用できる。)

 

燃料の合成

脱炭素発電で出来た水素+回収したCO2を合成して燃料を作る。

天然ガスはメタネーション

LPガスはFT合成(プロパネーション)によって生成。

 

FT合成:一酸化炭素と水素の混合ガスから軽油など石油代替燃料および化学品を合成する触媒反応

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