【技術士キーワード学習】Ⅰ:人の感性と機械機能の関わり

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人の感性と機械機能の関わりの現状

従来、機械には明確な目的があった。例えば、カメラは写真を撮る為に使用し、自動車は移動するために利用する。
しかし現在では、スマートフォンに代表されるように、製品をどのように使用するかはユーザー毎に異なることが増えてきた。

 

例えば自動車では、単なる移動手段としての機能にとどまらず、生活スペースとしての機能、健康管理などをする機能が生まれてきている。

このように、機械的機能としてのものづくりから、製品を通して得られる経験といった、コトづくりへのシフトが起こっている。

 

人の感性と機械機能の関わりの問題点と課題

人の感性の見える化

デザインの好みや使いやすさの定義など、人の感性は広く、定性的であることから、現時点では数値として表すことが困難である。一方で、多様に渡るユーザーのニーズに応えるためには、人の感性を知ることが必要である。

 

したがって、データ化の観点から、人の感性を分類し、第三者が表現できるように見える化することが課題である。

 

拡張可能な機械構成

多様なニーズに応えるためには、ソフトウェアだけでなく機械的にも、機能を拡張できることが必要である。
したがって設計の観点から、仕様追加に対応できるような、拡張可能な機械構成とすることが課題である。

 

ユーザーニーズの収集

近年は製品の短命化が問題となっているように、ユーザーのニーズは常に変化しており、現時点での最適解が短期間で陳腐化する。

持続可能性の観点から、ユーザーのニーズを常に収集し続け、潜在的なニーズに応えるものづくりを行うことが課題である。

 

最重要課題

高度に情報化された現代では、製品を差別化するために、機械的機能といった物質的な価値以外にも、ユーザー体験の最大化といった感性的な価値を高めていくことが必要であることから、「ユーザーニーズの収集」を最重要課題と考える。

 

最重要課題の解決策

アンケート調査による情報収集

ユーザーに必要事項を記入してもらい、情報を収集する。

方法として

  • 電話
  • 街頭調査
  • スマートフォンなどICT機器

等を通して質問する。

 

  • メリットは、知りたい情報を知ることができる。
  • デメリットは、潜在的なニーズを見つけるのが難しい。

 

IoTによる情報収集

製品機器にIoTセンサーを取付け、匿名化してから情報を収集する。

例えばコマツのKOMTRAXというシステムでは、全世界に存在する建機をネットワークにつないで常時監視し、盗難や暴走などのトラブルがあれば遠隔操作で停止させることができる。

 

同じようにして、製品機器の稼働状況から、利用シーンや利用時間等の情報を分析することで、ユーザーの潜在ニーズを発掘することに繋げる。

 

ライフサイクル全体でユーザーとの接点を作るアフターサービス

製品の製造・販売だけでなく、使用、故障時の修理、廃棄など、ライフサイクル全体でユーザーと接点を作ることで、劣化の激しい部位の改善やレアメタルの再利用、顧客との交流時に発生する偶然的な会話などから潜在ニーズを発掘する。

 

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